「自動整列駐車」や「空台車回収」の機能も実装
佐川急便と倉庫・工場向けロボットの開発を手掛けるLexxPluss(レックスプラス)は12月12日、SGホールディングス(HD)が東京都江東区新砂に構えているグループの次世代型大規模物流拠点「Xフロンティア」佐川急便中継センター3階で、LexxPluss製自動搬送ロボット「Hybrid-AMR」を同日、12台導入したと発表した。
これまで人手に依存していた不定形の貨物搬送オペレーションの大規模な自動化に乗り出した。
Xフロンティア佐川急便中継センターはベルトコンベアなどから成る自動仕分け機で荷物取扱量の9割を処理。しかし、自動仕分け機で搬送することができない不定形の荷物は従来通り、人の手で仕分け、台車で搬送していた。
過去にロボット導入による自動化を試みたものの、24時間絶え間なく荷物と人が行き交う環境下で、臨機応変に搬送工程を効率化できるロボットがなく、課題を抱えたままだった。
今回導入した「Hybrid-AMR」は自動運転と同様、自律的に障害物を検知・迂回できるAMR(自律協働型ロボット)と繰り返し精度と作業スピードを保証できるAGV(無人搬送ロボット)を併用できるのが特徴。
Xフロンティア佐川急便中継センターでは、Hybrid-AMRの基本機能に加え、搬送先の状況に合わせて規則正しく荷物を駐車する「自動整列駐車機能」や、空台車を回収する「空台車回収機能」などの最新機能を実装。荷物や台車の滞留を軽減する方法で自動搬送システムを導入した。
また、LexxPlussの走行管理システム「Konnectt」は、日本語を母語としない作業員でも利用可能な言語非依存性のインターフェースや、50台以上のロボットを一括管理する機能を備え、ロボットの運用に慣れていなくてもシンプルな作業のみで現場作業の大規模な自動化が可能になる。
両社は今後、運用中のデータをクラウド上に蓄積・分析することで、搬送の効率を一層向上に向けさせていきたい考え。
LexxPlussは「2020 SAGAWA ACCELERATOR PROGRAM」で審査員特別賞を受賞した。
Xフロンティア佐川急便中継センターで稼働するHybrid AMR(両社提供)
(藤原秀行)