AGV40台投入、作業効率を4倍に改善へ
アリババグループの物流部門ツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)は12月26日、スイスの食品・飲料大手のネスレと戦略的パートナーシップを締結し、中国の蘇州市で同社向けに直販用スマート物流センターを開設すると発表した。
菜鳥の物流・自動化システムなどの最新テクノロジーを導入したネスレの直販用スマート物流センターは、40台の無人搬送ロボット(AGV)を導入することで、手作業によるピッキングの大幅な削減と生産性の最大化を目指しており、作業効率は従来比4倍まで高まる見込み。
また、菜鳥のスマートサプライチェーンは、ネスレが市場の変化により柔軟に対応することも可能にするとみている。
直販用スマート物流センター開設の発表イベントに参加した菜鳥とネスレの幹部
2000㎡の同物流センターでは、AGVが製品を梱包ラインに運ぶことで、約6000件の注文が入る閑散期でも20人余りのスタッフの労働時間を削減することが可能。AGVの利用で同物流センターのスタッフは毎日平均2万歩の移動を減らせるという。
また、同物流センターはネスレの直販分野の事業拡大とともに、中国市場におけるeコマース事業全体の注文処理も支援。中国の地方政府による新型コロナウイルス感染症対策で2022年に入ってから中国全土で多くの倉庫が閉鎖されており、今後ネスレは注文処理を同物流センターへ移行し、特定の地域における需要増加にも対応していく方針。
導入されたAGV(いずれもアリババグループ提供)
(藤原秀行)