IHIジェットサービス、AI活用したサプライチェーンの可視化・追跡情報提供を開始

IHIジェットサービス、AI活用したサプライチェーンの可視化・追跡情報提供を開始

AI活用しコンテナ船の到着時間予測、電子通関と連携で円滑な運搬可能に

IHIは1月6日、傘下で宇宙航空などの領域の重機製造を手掛けるIHIジェットサービス(IJS)が、AIによるコンテナ船の到着時間予測を活用し、通関手続きの簡素化・遅延防止と輸入関連費用削減を実現するサプライチェーンの可視化・追跡情報提供事業を開始したと発表した。

新事業はIJSが衛星情報を使った様々なサービス提供を通じて培ってきた衛星情報分析のノウハウを生かし、コンテナ船のリアルタイムで高精度な位置情報や航行遅延情報をAIで分析し、到着時間を予測。そのデータとHAKOVOのAIを活用した電子通関プラットフォームを連携させ、海外におけるサプライチェーンの可視化・追跡情報を提供する。

海上コンテナ船の航行スケジュール遅延の影響を受けずに輸入通関業務を行えるようにすることで、目的地までの物資の円滑な輸送と、世界で問題となっている港湾混雑の解消が可能になると見込む。

IHIは新サービス利用者(コンテナ船の積荷の荷主,通関業者,物流・配送業者,輸入業者など)がコンテナ船の港湾に入るまでのスケジュールを正確に把握できるようになり、通関のための手続き準備を期間内に確実に実施、物資をスケジュール通り運搬することが可能になるとみている。

特に生産部材・機械部品,建設部材など、工場や現場で精度の高い調達物流と納期管理が必要な産業では陸上での貨物輸送車両の手配・配送が計画通り実施できるため、無駄なコストの発生を抑えられると想定している。

IHIはAIを活用したコンテナ船の航行情報とAIによる電子通関プラットフォームを組み合わせたサービスは世界で初めてと説明している。

本実証事業はフィリピンの日本によるODA()のダバオバイパス建設プロジェクトで、建設資材の輸送・輸入に適用した。今後はフィリピンに加え、インドネシアやタイなどの東南アジア、中東でもサービスを展開していく予定。


IJSが提供しているサービス


電子通関プラットフォーム(イメージ)

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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