1~2時間で月次配送計画を自動立案しトラック台数も10%削減
日立製作所は2月28日、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用して効率的な配送計画を立案する「Hitachi Digital Solution for Logistics/配送最適化サービス」を4月1日から日本、中国、タイで提供を開始すると発表した。
三井物産と行った実証実験では従来と比べて配送トラック台数を最大約10%削減する効果が得られたことから、物流コストの削減や配送業務の効率化に貢献できると見込んでいる。
熟練配車担当者が自身のスキル、ノウハウを駆使して行っていた配送先や配送日時の割り付け、配送ルートの策定をAI活用による日立独自のアルゴリズムでデータ分析。配送計画を高速に自動立案することで業務に掛かる負担・時間を減らすほか、トラックが配送を行った後のGPSデータから配送計画と実績の比較・見える化を実現する。
物産との実証実験では3社(物流倉庫4センター)の半年間における実績データと同サービスを使用したシミュレーション結果を比較検証し、複数の熟練者が1~2日かけて作成していた月次配送計画を1~2時間で自動立案。
トラック台数の削減に加えて、短時間で熟練者と同等もしくはそれ以上のパフォーマンスを発揮できることを確認した。このほかオープンなIoTプラットフォームによって、ユーザーが現在利用しているシステムのデータや他社サービス、オープンデータとも連携が可能だ。
日立はデジタルイノベーションを加速する「Lumada」の物流業向けソリューションとして同サービスの開発・改良を推進。今後は複数物流拠点の配送網にまたがるトラック積載率を向上させる「配送圏最適化サービス」、物流拠点間の輸送も含めた広域の配送効率を高める「輸送最適化サービス」などのサービスメニューも拡充・提供し、物流業務のデジタルイノベーションに貢献していきたい考え。
(鳥羽俊一)