スズケングループ、小野薬品や塩野義、田辺三菱の製薬大手3社と医療用医薬品の国内物流で共同輸送開始

スズケングループ、小野薬品や塩野義、田辺三菱の製薬大手3社と医療用医薬品の国内物流で共同輸送開始

GDPガイドライン準拠は製薬業界初、「2024年問題」などに対応

スズケンは1月16日、グループで医療関係の物流などを手掛けるエス・ディ・コラボ(東京都千代田区岩本町)が小野薬品工業、塩野義製薬、田辺三菱製薬と2023年1月に、国内物流における医療用医薬品の品質担保の向上および流通過程での完全性(医薬品が製造販売承認に基づき製造され、市場出荷された状態を維持し、かつ流通経路における医薬品の品質劣化、破損、破壊および改ざんが生じないこと)実現に向け共同輸送を開始したと発表した。

医薬品の適正流通「GDP」(Good Distribution Practice)ガイドラインに準拠した共同輸送として製薬業界では初の試み。

医薬品物流を取り巻く環境は、2018年12月に発出されたGDPガイドラインにより、輸送・保管過程でより厳格な品質の担保と流通過程での完全性が求められている。トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」や燃料費の高騰、CO2排出削減といった課題も山積しており、解決のため4社が各社の物流センターから医薬品卸に至る輸送ルートで連携することにした。

具体的には、全ての温度帯で温度管理をした輸送を行い、品質担保の向上を図るほか、輸送の積載効率を上げ、運行台数を削減することにより、ドライバー不足を軽減して安定供給につなげる。さらに、運行台数の削減でCO2排出削減を目指す。

スズケングループのP・J・D ネットワークは2022年7月、三井倉庫ホールディングスと医療用医薬品の物流における戦略的パートナーシップの協定に合意しており、連携しながら共同輸送を推進する構え。


共同輸送のスキーム(プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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