スマート倉庫システム提供する東大発ベンチャーのRENATUS ROBOTICS、マイクロソフトのスタートアップ支援プログラムに採択

スマート倉庫システム提供する東大発ベンチャーのRENATUS ROBOTICS、マイクロソフトのスタートアップ支援プログラムに採択

クラウドサービスAzureなど活用、開発促進目指す

TRUST SMITHグループでワンストップ梱包」型自動倉庫システム「RENATUS(レナトス)」を提供する東京大学発のロボティクスベンチャー、RENATUS ROBOTICS(レナトスロボティクス、米デラウェア州)は1月17日、米マイクロソフトが提供しているスタートアップ支援プログラム「Microsoft for Startups」に採択されたと発表した。

同プログラムに採択された企業はクラウドサービスのAzureをはじめとしたマイクロソフトの保有する様々なリソースを利用できる。



RENATUS ROBOTICSは今後、Azureなどテクノロジーのサポートを活用し、「RENATUS」の開発を促進したい考え。日本マイクロソフトとの共同プロモーションや研究開発実積の発表、Azureを活用している企業との連携による新サービス開発や広域連携などを目指す。

※RENATUS ROBOTICS様の要請により画像削除致しました。

RENATUS ROBOTICSの事業内容

RENATUSは倉庫内に建て高さ5~20mのラック内で、敷設したレール上を専用シャトル「RENATUS SHUTTLE」が走行、コンテナを効率的に作業者の元へ運ぶ。

ワンストップ梱包
※RENATUS ROBOTICS様の要請により画像削除致しました。

同社はコンテナ単位で荷物を輸送するため、ピッキング作業は常にコンテナの中身をピックするのみで完結。荷物を探したり、見つけられず迷ったりといった時間のロスやミスが発生しないと説明している。



加えて、シャトルが作業者へコンテナを供給するタイミングはRENATUS CORTEXがコントロールしており、完全に順立てされる。作業者はコンテナからピックした荷物をそのまま出荷用の段ボールに繰り返し入れていけばピッキング・集約・梱包の3工程をまとめて完了できる「ワンストップ梱包」を実現する。

ピッキング速度
※RENATUS ROBOTICS様の要請により画像削除致しました。

RENATUSは従来の3次元走行型AGV(無人搬送ロボット)と異なり、上下方向へ自走しない。ラック内の各フロアのシャトルが水平2方向の高速移動に特化(4m/s)することで、業界最速の輸送を実現したという。

さらに、機体とラックの設計から余計な複雑さを排除。3次元走行型に比べ故障が起こりにくい上、価格を安く抑えている。

各フロアの外縁部には高速昇降リフトを配置しており、荷物を上下方向へ運搬。昇降リフトの移動速度は従来の3次元走行型AGVを大幅に上回り(4m/s、4m/s²)、庫内搬送をさらに高速化する。同社は1時間1人当たり500行以上のピッキングを実現できると見込む。

究極の格納効率
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配車最適化アルゴリズム「RENATUS CORTEX」はシャトル2000台を同時制御できる独自システム。計算結果は「ローカル5G」を介して各シャトルに伝達する業界初の方式を採用し、機器間の安定した高速通信を実現している。

バッファ装置やベルトコンベアなどの設備を削減できるため、面積効率が大幅に向上し、コンテナ100万箱以上を1拠点に高密度保管できるようにした。

今後の展望
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「Microsoft for startups」のプログラムを最大限に活用することで、今後、「RENATUS」のシステム導入を事業の基軸に据えつつ、シャトル群制御アルゴリズムやマテハン機器など、TRUST SMITHグループ独自の製品・要素技術を生かした多様なユースケースに応えるような体制を構築。「物流業界全体の効率化」を牽引できる存在を目指す。

(藤原秀行)※写真と動画はRENATUS ROBOTICS提供

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