日本GLP・帖佐社長「流山エリアは今後も開発ポテンシャル高い」

日本GLP・帖佐社長「流山エリアは今後も開発ポテンシャル高い」

一大プロジェクトの成功踏まえ物流適地をあらためて強調

日本GLPの帖佐義之社長は3月5日に行ったマルチテナント型物流施設「GLP流山Ⅲ」(千葉県流山市)の竣工式で記者会見に臨み、今後も流山エリアは開発ポテンシャルが高いとの見解を示した。


記者会見で質問に応じる帖佐義之社長

後続物件の有無など具体的な点については明らかにしなかったものの、帖佐社長は「今後もよりスケール感を持った物件が開発できると思う。そのような機会に恵まれたらぜひ取り組みたい」と前向きな姿勢を見せている。

背景には一連の“流山プロジェクト”で建設した3棟がいずれも完成前ないし完成直後に満床となったことがあるようだ。「GLP流山Ⅱ」は楽天の1棟借り、「GLP流山Ⅲ」は日本ロジステック(東京・神田)など2社が入居、また一部空室があった「GLPⅠ」もテナントが内定。事実上は全て満床稼働で現在は“売り止め”状態であることを明らかにした。

同プロジェクトには総額約590億円の巨額投資を行ったが、これを踏まえ「3棟連続というスケールの大きい開発ができた流山にはますますのポテンシャルを感じている」と言及。さらに同社が物流不動産デベロッパーとして不動の地位を築くきっかけとなった埼玉・三郷エリアと比べても「それ以上の可能性がある。流山は次世代の三郷になるだろう」と今プロジェクトの成功でさらに自信を深めたようだ。

足元のマーケット動向については引き続き需給バランスは逼迫していると指摘。これを裏付けるものとして流山プロジェクトの満床稼働、昨年における同社のリース契約実績が約170万平方メートルと過去最大規模だった点を例に挙げる。

「10年前はマーケット全体で170万平方メートルだったが、今では当社1社でこのレベルに到達している。それでも市場シェアは25%前後と考えれば、まだまだ旺盛な需要に供給が追い付いていないのが実感」と分析する。

その上で「昨年の当社完成物件(約70万平方メートル)で7棟のうち6棟は完成前、また着工や開発を発表している3棟については起工式前にそれぞれ満床となっている。こうした状況から見ても需給バランスは非常にタイト」と供給過多への懸念は感じられない。

また「GLP流山Ⅲ」ではマルチ型物流施設としては画期的な生産加工、流通加工といった新たな機能を実装させた。「複合機能型のニーズはとても高まっている。従来の保管だけではなく多様なサービスを提供する点で“進化系物流施設”といってもいいだろう。今後も力を入れてやっていきたい」と意欲を見せた。

(鳥羽俊一)

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