22年4月の法制化で可能に
センコーは2月15日、集中IT点呼センターを設け、近畿エリアでは業界初となる、グループ企業を含めた複数拠点におけるドライバーの点呼業務を一括して行うグループ企業間IT点呼(遠隔点呼)を1月1日に開始したと発表した。
グループ会社ドライバーの遠隔点呼を行う様子(プレスリリースより引用)
IT点呼は自動車運送事業者が安全な運行を行うため、通常は運行管理者がドライバーと対面で健康状態などの確認を行っているところを、パソコンなどIT機器を代替で用いて非対面で実施する。安全性優良事業所(Gマーク取得営業所)のみが実施可能。
これまで国土交通省の定めにより、ドライバーのIT点呼業務は同一企業内に限られていたため、グループ会社のIT点呼は実施できなかった。また、グループ会社の小規模な営業所は休日や深夜・早朝のトラック運行に必要な点呼者を確保するため、管理者の休日出勤や時間外労働が発生することもあった。
さらに点呼者の高齢化も進み、安定した点呼体制の構築が課題となっていた。
そこで、2016年からセンコーが中心となり、関係諸団体の協力を得た上で、同一企業に限らずグループ企業間でのIT点呼を可能にする法制化を国土交通省に働きかけ、2022年4月に実現していた。
遠隔点呼の運用に際し、センコーが事務局を務め、各県の運輸支局と調整して申請準備を進めた結果、滋賀にある「センコー守山PDセンター」を親拠点とする愛知、三重、滋賀、石川、福井、富山の6県・グループ企業3社(東海センコー運輸、三重センコーロジ、北陸センコー運輸)・親拠点を含む計8拠点による遠隔点呼を始めた。
親拠点を集中IT点呼センターとして点呼をまとめて実施することにより、点呼体制の強化と効率化につながる上、管理者の労働時間削減で働き方改革にも寄与できると見込む。
センコーは他のエリアにも親拠点を新設し、センコーが管轄するグループ企業全体で遠隔点呼ができる体制を広め、グループ全体で運行管理のレベルアップと点呼体制の安定化、働き方改革を図っていきたい考え。
(藤原秀行)