第一次産業への導入加速など図る
産業用ドローンの開発などを手掛けるエアロセンスとNTTグループのドローン専業会社NTT e-Drone Technology(埼玉県朝霞市)は2月17日、エアロセンスのVTOL(垂直離着陸型固定翼)型ドローン「エアロボウイング」の普及拡大へ機体販売促進とオペレーション運航の拡充で業務提携すると発表した。
NTTイードローン・山﨑顕代表取締役(左)とエアロセンス・佐部浩太郎社長(エアロセンス提供)
エアロセンスは2020年、国内ドローン業界初のVTOLドローン「エアロボウイング」の販売を開始。長距離・広範囲の点検、監視などに適している特徴を生かし、山間部の砂防点検、送電線の点検、海域での監視といった多様な領域で活用されている。
エアロボウイングの機体や活用法の認知が高まる中、今回の業務提携を手始めに、NTTイードローンからドローン普及活動、オペレーションのノウハウ共有、オペレーター要員派遣などの協力を得て、国内のVTOL型ドローン市場をさらに開拓、普及活動を強化することで社会実装の加速を目指す。
エアロボウイングは発売を開始して以来2年以上経過し、多くの企業や自治体で導入・活用が進む一方、エアロセンスへのエアロボウイングを活用した点検や測量などの運航ニーズの高まりに伴い、エアロセンス自社内での運航オペレーションの体制整備や普及強化が課題になっていた。
NTTイードローンはドローンの開発製造、運用受託などの他、法令、機体、運用方法などの知識と経験を有したドローンのオペレーションを担う人材育成にも注力している。ドローン社会実装を目指すという両社の思惑も一致したため、NTT東日本グループとの協働を通じてVTOL型ドローンのさらなる社会実装を加速させたい考え。
エアロボウイングの運航オペレーターとして、NTTイードローンからオペレーターを運航現場に派遣し、運航のオペレーションを実施(補助要員含む)したり、山間部や河川での広域にわたる点検や測量などの実施提案と普及促進活動などで連携することを想定。併せて、NTT東日本グループが目指す、地域活性化を目的とした農業や林業などの第一次産業分野でのドローンの運航・普及促進活動も拡大を目指す。
(藤原秀行)