アジア域内ネットワーク拡大を促進、欧米など主要市場間の輸送時間短縮図る
UPSの日本法人ユーピーエス・ジャパン(UPSジャパン)は2月20日、北九州空港に国際貨物定期便を就航させるとともに、新たなゲートウェイ施設を開設したと発表した。
九州地方で定期便を運航するのはグローバルなロジスティクス企業としては初めてという。定期便は月~金曜の週5便で北九州空港と関西国際空港を結び、拡大するUPSのアジア域内ネットワークを強化するとともに、九州地方のビジネスを世界220以上の国・地域と連結、事業拡大を後押しする。
北九州空港に到着した初便
同空港の初荷式
北九州空港で同日開催した記念式典で、UPSジャパンの西原哲夫社長は「今回の国際定期便の就航により、UPSは海外の新たな市場への参入を目指す九州の企業に迅速かつ信頼性の高い物流サービスを提供し、サプライチェーンのレジリエンス(強靭性)を高めるとともに、この地域のさらなる経済発展と活性化に貢献することができると考えている」とあいさつした。
UPSジャパンは今回の就航によって、九州の企業は国境を越えた成長の機会をより多く捉えることができると想定。輸出企業は、集荷の締め切り時間が最大3.5時間延長され、荷物の発送準備に余裕ができる上、荷物もアジアや米国に最短1営業日で届けることができるようになると説明している。
さらに、福岡県の一部地域ではアジアや欧州、インド、中近東、アフリカからの貨物を当日中に受け取ることができるようになる。
北九州空港はUPSにとって15年ぶりに開設された3番目のゲートウェイとなった。九州地方におけるサービス強化は、UPSが行ってきた日本における多様なサービス拡充策の一環。
UPSは直近の2年間でも、関西国際空港と成田国際空港で米国への輸送能力を高めるために飛行機をアップグレードしたほか、日本の主要オペレーション施設の「新木場集配センター」(東京都江東区新木場)を拡張し、関西国際空港とアジア域内ハブの中国・深圳の間の定期便を増便した。
(藤原秀行)※写真はUPSジャパン提供