倉庫スペースの効率的な活用、経営幹部の9割が重要課題と認識

倉庫スペースの効率的な活用、経営幹部の9割が重要課題と認識

AutoStoreグローバル意識調査、自動化ニーズの着実な拡大浮き彫りに

自動倉庫「AutoStore(オートストア)」を手掛けるノルウェーのAutoStoreは2月24日、倉庫管理やフルフィルメント(ECの受注・在庫管理・梱包・出荷など)に携わる主要国・地域の企業経営幹部を対象とした2022年のアンケート調査結果を公表した。

既に自動倉庫システムを導入している人と今後12カ月間に導入する計画を立てている人を合わせると全体の9割近くに達し、製造業や小売業など主要業種で自動化のニーズが着実に広まっていることがあらためて浮き彫りとなった。また、倉庫スペースの効率的な活用を重要な経営課題と捉えているのも9割を超えた。

調査は北米、欧州、日本を含むアジア太平洋の経営幹部クラス、物流担当責任者を対象に実施。自動車、小売、製造業など主要5業界に絞っている。国別や業種別などの区分は公表されていない。

組織が直面している課題を尋ねたところ、「エネルギーコストの上昇」が32%で最も多く、「人件費の増加」(27%)、「サプライチェーンと出荷の制約」(26%)と続いた。欧州の回答者がエネルギーコストを最大の課題として挙げているのに対し、北米とアジア太平洋は人件費の上昇をより懸念している傾向があるという。倉庫の自動化を促進する素地があることをうかがわせた。

自動倉庫システム(AS/RS)の導入に関し、既に導入している人が32%に足したほか、「今後 12カ月以内に導入する計画を立てている」が56%に上った。技術を調査中と答えたのは10%で、「導入を全く考えていない」はわずか2%にとどまった。

具体的にどのような技術に投資しているかについては「シャトルシステム」が46%、「AMR(自律協働型ロボット)」が43%、小物部品など専用の「ミニロードシステム(クレーン)」と回転棚の「カルーセルシステム」がともに41%、AutoStoreのような「キュービックストレージシステム」が40%などとなった。

AutoStoreはミニロードシステムやカルーセルシステムのような比較的古い技術に人気があると指摘。「企業の投資先が今後も同様であるとすれば、拡張性と柔軟性がより高いソリューションを求める方が大きな優位性を得られる」と分析している。
また、倉庫スペースの節約や最適化が今後12カ月間で「事業上の優先事項」と答えたのが49%、「必要不可欠」は43%で、倉庫の効率的な活用を重視している向きが非常に多いことも分かった。

AutoStoreは「保持するスペースをより有効に活用することが、今後12カ月のパフォーマンスを推進する上で必須なのは疑う余地がない」との見方を示している。

(藤原秀行)

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