屋上などの具体的活用方法検討
プロロジスの山田御酒会長は3月10日、東京都大田区で開催した新たな都市型物流施設「プロロジスアーバン東京大田1」の竣工記念式典であいさつした。
この中で、都市部に立地している特性を生かし、これまで開発してきた物流施設と同様、地域の防災拠点などとして活用することに意欲を示した。その上で、地域貢献のため、屋上など施設の具体的な活用方法を検討していることを明らかにした。
プロロジスアーバンブランドの物流施設は、既存のタイプとは異なり、都心部にコンパクトなサイズの案件を設け、宅配の拠点などとして有効活用できるようにすることに重心を置いている。地域防災拠点などの機能を持たせることができれば、新たな物流施設の在り方として存在意義を高められそうだ。
「プロロジスアーバン東京大田1」の外観
倉庫内
あいさつする山田会長
山田会長は「プロロジスで数多く開発している『プロロジスパーク』は郊外にある大型の物流施設。街中に点在していたものをまとめることで(物流業務を)効率化し、昨今のECにも対応でき、庫内のオペレーションをいかに迅速にするかということを主題に(開発を)進めてきた。一方でこの4~5年、EC市場が想定以上に成長し、郊外の施設ではお客様へ荷物を届けるのに時間が掛かってしまうため、町中にベースを置く必要が出てきた」とプロロジスアーバンシリーズ開発の経緯を説明。
「用地を紹介してもらった当時は道路に面しており、マンションも多いこの土地に施設を作っていいのかと迷った。かつ坪単価がプロロジス始まって以来一番高かったため、物流施設を作って事業はうまくいくのか、ニーズはあるのかという疑問はあったものの、マーケットリサーチの意味も込めてこの案件をスタートした」と内幕を披露した。
「国内プロロジス案件の111棟の中で最もおしゃれになったので業界の皆さんも驚かれるかと思う」と語り、新たな存在意義を発揮できていると自信をのぞかせた。
併せて、「当社は地域との関わり、地域への貢献も考えており、地域の防災拠点として使ってもらうなどの提案をしている。今回、都心に建てた施設もどう使ってもらうか思案中。例えば初めて作ったルーフバルコニーや、屋上なども活用していきたいと思っている」と述べた。
設計・施工を担当した巴コーポレーションの深沢隆社長もあいさつに立ち、「都心はもとより神奈川東部地域という大消費地をカバーする、新たなマルチユースに対応した都市型ビジネスの拠点として今後とも、地域とともに活力を与える場になることを期待している」と語った。
ルーフバルコニー
山田氏と巴コーポレーション・深沢社長
(安藤照乃、藤原秀行)