センサーなど機能向上、安定した稼働可能に
Doogは3月22日、協働運搬ロボットのサウザーEシリーズの新製品「サウザーミニ」を4月に発売すると発表した。
サウザーミニの販売開始に合わせ、サウザーEシリーズの全3機種はいずれも「E2」として進化させる。
サウザーミニ(型式:RMS-05E2)は、横幅45cmと小さく小回りが効く筐体を持ちながら、積載60kg、牽引150kg目安の運搬力を装備。サウザー製品に共通する路面走破性の高い大きな車輪構造が特長。
狭い環境で運搬作業の自動化を検討している企業などには最適なスペースユニットと強調。サウザーミニはこれまでの先行販売期間を通じて、運搬用途だけでなく遠隔点検ソリューションやサービスロボットのベースコンポーネントなどに応用されてきている。
従来機種のサウザーE1に対し、サウザーE2は標準搭載するセンサーの機種や取付位置、視野角を変えたことで基本機能が向上したのが特徴。スタンダード、ジャイアント、ミニの3機種はいずれも荷台の下に検知距離40m、視野360度の2D-LiDAR(レーザーセンサー)を標準搭載する。
筐体構造により、サウザーとしての視野はスタンダード、ミニが320度、ジャイアントが270度とナビゲーションに優れる高視野を確保している。
センサーは自動追従機能、障害物検知、および標準搭載するメモリトレース機能に使用。従来のE1ではメモリトレース機能には追加センサーが必要だったのに対し、E2では標準搭載センサーのままでもメモリトレース機能が使用できる。サウザーの入門モデルのサウザーベーシックと同様に、環境の変化がほとんどない安定した現場や環境の変化を小さく整えられる現場では、追加センサーのカスタマイズ不要でメモリトレース機能を利用できる。
サウザーベーシックとE2のナビゲーション機能対応表
しかし、低い位置に取り付けられた標準搭載のセンサは、環境変化が大きい現場、人混み、屋外など広大な環境に対応することが原理的に困難です。これに対し、ハイエンドモデルであるEシリーズでは、従来のE1と同様に高い位置に視野360度の長距離センサを追加するカスタマイズが可能です。これにより遠くの構造物や可動しない構造物をセンサが捉えやすくなることで運用に対応できるようになるため、安定的な運用の実現のためには環境に応じて使用するセンサや高さを選定することが推奨されます。
また、E1ではライントレース機能/ハイウェイ機能に用いられるセンサが標準搭載されていましたが、E2では標準搭載ではなく追加センサに変更となりました。これにより、ライントレース機能を必要としないお客様にはお買い求めやすい構成が選定できるようになりました。E2はソフトウェア/システムの点において当社独自のナビゲーションエンジンDNE4.8が搭載されます。各機能の安定性の向上だけでなく、カスタマイズ/インテグレーションに対応できる項目が増えます。
メモリトレースは、教示再生と呼ばれる自律走行技術に分類されるDoogオリジナル方式で、地図と経路の構築は作業者が一度サウザーを追従させて歩くだけで簡単に完了できるのが特徴。自動走行させたいルート上をサウザーは追従走行しながら、LiDARセンサによる周囲の風景を録画するかのように”記憶”する。
一度記憶したルートは、ボタン1つで無人の再生走行を行うことが可能。多くの現場で誰でも自由自在にコースセッティングができる上、全く新しい場所でも現場の作業員が自動運搬をすぐに構築できる点が強み。走行ルートの中に速度モードや一時停止、カスタマイズ機器用のIO操作を組み込むことができる。
(藤原秀行)※いずれもDoog提供