花王、愛知の豊橋工場で“必要なものを必要なだけ届ける”次世代新倉庫の運用開始へ

花王、愛知の豊橋工場で“必要なものを必要なだけ届ける”次世代新倉庫の運用開始へ

AGVなど導入し入庫~出庫の完全自動化図る

花王は3月27日、スキンケア・ヘアケア製品を中心に多品種を生産する豊橋工場(愛知県豊橋市)で、完全自動化が可能な次世代新倉庫の運用を3月31日に開始すると発表した。

工場から物流拠点や販売店に柔軟かつ効率的に製品を供給できるロジスティクスの確立を目指す。

花王は消費者の多様化するニーズに対応した特徴ある商品を必要な量だけ届けることで、資源や環境への負担が少ない、循環型社会に貢献するESG視点重視の事業展開に注力している。

豊橋工場は新倉庫の完成により少量・多品種へ柔軟に対応した物流が可能になると想定。効率的な少量・多品種生産への対応と自由度の高い物流機能を連携させた生産・物流機能一体型拠点「豊橋コネクテッド・フレキシブル・ファクトリー」を実現し、サプライチェーンの持続可能性を高めていきたい考えだ。


豊橋工場新倉庫外観


ケース仕分け(デパレタイズ/パレタイズ)ロボット


AGV(無人搬送ロボット)

新倉庫は物流作業の完全自動化と、隣接する工場・物流拠点の一体運営、トラックによる入出荷の効率化を実現。花王としても新たな取り組みとなる。

製品の入庫から届け先向けに仕分けして出庫するまで完全自動化を実現。経済産業省資源エネルギー庁公募の「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業」による自動運転フォークリフト実証事業と連携し、トラックへの積み込み作業の自動化・無人化を進めている。大和ハウス工業やイオングローバルSCMなども協力している。

また、AGVを活用し、多品種製品のパレットへの積み付けと荷降ろしを同時並行で進められる自由度の高い自動化を達成。作業の効率化と同時に事業環境の変化へ柔軟に対応できるようにする。RFIDを利用して製品情報とパレットを連携し、仕分け作業などの自動化や、生産工程を含めたトレーサビリティーの強化を図っている。

さらに、トラックの入場予約システムと入退場時の車両ナンバー認証システム、庫内設備の制御系システムを連携させ、予約状況や車両の到着状況に合わせた出庫を可能にする。トラック来場の集中や待機時間の削減による生産性の向上と、ドライバーが安心して活動できる「ホワイト物流」を推進する。

太陽光発電によるCO2排出量削減など環境負荷の低減にも取り組む。

所在地: 愛知県豊橋市明海町4-51 (豊橋工場)
建築面積: 7,204㎡
保管能力: 120万ケース
入出荷能力: 各4万ケース/日
自動化設備: パレット立体自動倉庫/ケース仕分け(デパレタイズ/パレタイズ)ロボット/無人搬送車(AGV)/自動運転フォークリフト
環境対応: 花王が開発したアスファルト改質剤「ニュートラック5000」を施設内舗装に使用
CASBEEあいち*5Aランク・BELS5☆*6取得
太陽光発電(設置予定)
稼働開始: 2023年3月31日

(藤原秀行)※写真は花王提供

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