330台、法律違反の可能性
日本郵便子会社で郵便局を活用した物販を手掛ける「郵便局物販サービス」が2020年に、古物営業の許可を得ていないのにスマートフォン「iPhone(アイフォン)」の中古品330台を転売目的で仕入れていたことが分かった。
都道府県公安委員会の許可なく古物を売買するのを禁じている古物営業法に違反していた可能性があるという。警視庁も郵便局物販サービスに注意したもよう。
日本郵便の衣川和秀社長は4月21日の記者会見で、郵便局物販サービスは定款の事業目的の中に「古物業」と明記していたため、担当者は許可を取得済みと考えていたが、実際には許可を得ていなかったと説明。
「(郵便局物販サービスの)内部統制が十分ではなかった。物販関連の体制を一新させ、現在は改善されていると認識している。再発防止に取り組んでいきたい」と強調した。
この問題を最初に報じた西日本新聞は記事の中で「取引を要請したのは日本郵便の元執行役員(当時は現職)とされ、内部で違法性が指摘されたにもかかわらず進められたという」と伝えていた。
衣川社長は会見で「誰かが違法行為を企てたというものではなく、営業許可の確認不足だった。利益を得ているといったことは調査した結果でも出てこなかった」と語り、違法性を認識しながら取引が進められたとの見方を否定した。
(藤原秀行)