3省庁調査、ドライバーの労働実態知られていない公算大
国土交通、経済産業、農林水産の3省は4月27日に開催した「持続可能な物流の実現に向けた検討会」で、今年1~3月に実施した「荷主事業者の物流情報の把握状況等に関する実態調査」の結果を報告した。
発・着荷主に対し、自社製品の輸送重量、距離、荷待ち時間、荷役時間といった情報をどの程度把握しているのか尋ねたところ(回答数2617)、荷待ちや荷役の時間を把握していると答えたのは1割台にとどまった。
荷主の間で、長時間にわたる物流センターでの荷待ちなど、トラックドライバーが強いられている厳しい労働の実態が十分知られていない公算が大きいことをうかがわせた。
調査結果によると、荷待ち時間を「把握している」「一部把握している」と答えた割合の合計は、発荷主側の物流で16.7%、着荷主側の物流で12.7%。荷役時間もそれぞれ16.0%、11.5%だった。
輸送重量・輸送回数は発着荷主ともに半数前後の事業者が把握しているのとは対照的だった。
一方、輸送距離・輸送トンキロ・輸送時間を把握している事業者は、発荷主は20%前後、着荷主は10%前後にとどまった。
また、自社の輸送業務の委託に関し、実際に輸送を行っている実運送事業者を把握している荷主事業者は約85%(「把握」と「一部把握」の合計)、自社が輸送委託をしていない輸送事業者の入出荷に関して取引先と輸送事業者の間の契約で定められた内容(荷積み・荷卸し・附帯作業など)を把握している荷主は約55%(同)だった。
バース予約システムを導入している荷主は「全ての拠点」が1%、「一部の拠点」が6%。「導入されていない」の93%と圧倒的な開きがあった。
(藤原秀行)