JR東、受け取り・発送可能なロッカーで駅を「物流拠点」化する構想公表

JR東、受け取り・発送可能なロッカーで駅を「物流拠点」化する構想公表

3年間に新型機を首都圏で1000台導入へ

JR東日本は5月9日、預け入れが主な用途のロッカーに多様な機能を持たせることで、駅を「物流拠点」化する構想を公表した。

具体的には、ウェブアプリ上で各ロッカーの空き状況の検索を充実させるほか、ロッカー1台で「予約、預入、受け取り、発送」の4役をこなせるようにすることを想定している。

JR東は駅を物流の拠点にすることで、ECビジネスにおけるラストワンマイルの配送人員不足や、トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」といった物流関連の社会的課題解決を図る。併せて、駅の利便性を高め、鉄道利用の需要確保も目指す。

ロッカーの多機能化と駅の物流拠点化の構想を推進するため、JR東日本クロスステーション子会社の東京ステーション・サービスが担うロッカー事業とJR東日本環境アクセスのロッカー事業を統合し、7月3日付で新会社「JR東日本スマートロジスティクス」を設立する予定。新会社はJR東日本物流の100%子会社となり、ロッカーと物流の連携を後押しする。


今回実現するサービスの概要

今後の取り組みとして、新型ロッカーを今後3年間に首都圏で約1000台(約3万口)導入。利用者の需要に応じて各種サービスに割り当てるロッカー口数を変動させ、各駅のニーズに適したサービスを提供できるようにする。

また、冷蔵機能を搭載したロッカーも導入し、多様な商品の預け入れ・受け取りに対応できる環境を整備する。

ECで申し込んだ商品を生活動線上の駅で便利に受け取ることができるライフスタイルを提案。将来はエキナカ・駅ビルなどの商品を営業時間外に受け取り可能にすることも念頭に置いている。

併せて、列車による荷物輸送サービス「はこビュン」を活用した産地直送の商品受け取りができるほか、クリーニングや薬局などと連携し、ロッカーを拠点とした受け取りを推進する。

新会社の概要
社名:株式会社JR東日本スマートロジスティクス
所在地:東京都墨田区
主な事業内容:貸ロッカー業、スマートロッカー業
営業エリア:首都圏エリアのエキナカを中心に展開  ※今後は地方圏やマチナカへの展開も予定している
会社設立日:2023年7月3日(予定)


事業再編のイメージ(いずれもJR東日本提供)

(藤原秀行)

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