購入データを食品卸の機能向上に活用目指す、出資も
三菱食品は5月31日、家庭料理の配達サービス「つくりおき.jp」を手掛けるスタートアップのAntway (アントウェイ、東京都千代田区神田三崎町)と包括的業務提携を締結したと発表した。
併せて、Antwayが5月に実施したシリーズC(会社安定期)の資金調達ラウンドで、第三者割当増資で実施した約8.7億円の一部を三菱食品が引き受けた。他にはジャフコグループやSMBCベンチャーキャピタルなどが投資した。三菱食品の受け持ち分の具体額は開示していない。
Antwayは「あらゆる家庭から義務をなくす」をミッションに掲げ、高品質な家庭料理をサブスクリプション型で家庭に配達する事業を展開している。管理栄養士の監修の下、少し手間が掛かるおいしい家庭料理を週替わりで提供できるオペレーション能力や、ユーザーの声を提供サービス・メニューの改善へ迅速につなげるPDCA能力などを強みにして、共働き世帯を中心にニーズを開拓している。
三菱食品はAntwayとタッグを組み、食品卸で培ってきた食品開発や物流、決済などのノウハウを活用。配達サービスの拡充を後押ししたい考え。Antwayの商品購入に関する分析データを食品卸の機能向上に役立てたいとの思惑もある。
【包括的業務提携契約の概要】
・両社の食材受発注システムの高度化に向けた相互支援
・三菱食品の機能・知見提供による「つくりおき.jp」の物流・決済コスト削減支援
・Antwayの保有データ提供による三菱食品の機能向上支援
(藤原秀行)