コスト上昇分の価格転嫁割合、トラック運送は27業種中最下位

コスト上昇分の価格転嫁割合、トラック運送は27業種中最下位

中企庁調査、19.4%にとどまる

中小企業庁は6月20日、中小企業がコスト上昇分などをどの程度、商品・サービス価格に転嫁できているかどうかの調査結果を取りまとめた。

今年3月時点で、発注側企業と価格転嫁の交渉ができたと答えたのは全体の63.4%で、昨年9月の前回調査時(58.4%)から4.9ポイント上昇した。

直近6カ月間の全般的なコスト上昇分のうち、どの程度価格に転嫁できたかを集計した「価格転嫁率」は47.6%で、前回調査時(46.9%)から0.7ポイントと微増にとどまった。

価格転嫁率を見ると、「10割」や「9~7割」転嫁できたと答えた割合が35.6%から39.3%に上がった一方、「全く転嫁できない」と「減額された」の合計も20.2%が23.5%へ上昇。中企庁は「二極化が進行している」と指摘した。

調査は今年4~5月に実施、全国30万社に依頼し、約5.8%の1万7292社から回答を得た。回答から抽出した発注側企業数は延べ2万722社に達した。

主要な発注側企業との直近6カ月の価格交渉状況を点数評価したところ、発注側企業の主要27業種別(「その他」を除く)では造船がトップで、繊維、食品製造、飲食サービス、建材・住宅設備などと続いた。一方、価格交渉に消極的な企業として、通信が最下位で、トラック運送がその次となった。トラック運送は前回調査時の最下位から1つだけランクを上げた。

発注側企業のコスト増に対する転嫁率を27業種別に見ると(「その他」を除く)、トップは石油製品・石炭製品製造で57.0%、続いて卸売が56.9%、造船が56.1%、食品製造が55.8%、飲食サービスが55.6%などとなった。

半面、トラック運送が19.4%で最下位。その次の放送コンテンツ(22.7%)、通信(33.5%)、広告(34.0%)などと差が目立った。全業種の平均は47.6%だった。トラック運送は前回9月の調査から転嫁率は横ばいだった。

「下請けGメン」によるヒアリングなどの声を見ると、トラック運送ではネガティブな証言として、
「22年以降、価格交渉の希望を取引先に伝えているが、取引先の顧客である荷主の意向が強く交渉が実現しない」
「2年前から文書で価格交渉を依頼しているが、今に至るまで交渉の場を設けてもらえていない。担当者に電話をかけ依頼するが、のらりくらりとかわされ、実現できていない」
「自社から価格交渉を行っている。価格アップを要望してもほとんど応じてもらえない。交渉してもこちらの状況は聞いてもらえず、『親会社の意向』と言われる」
――との声が挙がった。

(藤原秀行)

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