エントランスフォーメーションと三菱商事エネルギー、大型ディーゼルエンジン搭載車のCO2削減へ水素アシスト技術の実証実験

エントランスフォーメーションと三菱商事エネルギー、大型ディーゼルエンジン搭載車のCO2削減へ水素アシスト技術の実証実験

上野輸送と連携、米スタートアップの技術活用

再生可能エネルギー利用のコンサルティングなどを手掛けるエントランスフォーメーションと三菱商事グループで石油製品の販売などを担う三菱商事エネルギー、上野輸送(川崎市)は7月3日、米国のスタートアップHydrogen On Demand Technologies(ハイドロゲン・オンデマンド・テクノロジーズ)が開発・販売するディーゼルエンジン向け水素アシスト技術「D-HAT」を活用し、大型ディーゼルエンジン搭載トラックのCO2排出削減効果の検証を目的とした共同実証試験を6月27日に開始したと発表した

自動車分野ではEV(電気自動車)化、FCV(燃料電池自動車)化が世界的に進んでいるが、エントランスと三菱商エネルギーは大型ディーゼルエンジンを有する車両に間してはコストやバッテリーの供給事情で、電動車の普及には時間を要すると想定。カーボンニュートラル実現を目指す上、現行のディーゼルエンジンでもCO2削減策が必要であると判断し、「D-HAT」を利用した燃費向上によるCO2削減効果検証の実証実験に踏み切る。

「D-HAT」は米国内で特許を取得した高効率なプロトン交換膜式の水電解装置(PEMセル)で水素を生成し、エンジンに送り込むことでディーゼルエンジンの燃焼効率を高め、燃費の改善、PM(粒子状物質)やNOx(窒素酸化物)の削減、車両メンテナンスコストの抑制が見込まれている。

実証実験は上野輸送が保有するトラックの大型ディーゼルエンジン2台を対象にD-HAT1000を搭載。燃料消費状況を測定し、省燃費によるCO2削減効果を見極める。


D-HAT1000搭載トラック(トラック後方、下部に搭載)

燃費改善によるCO2削減効果が認められた場合はPM・NOx削減効果、メンテナンスコストの削減についても効果検証の実証実験を予定している。三菱商事エネルギーが供給するバイオディーゼル燃料との併用も視野に、総合的な温室効果ガスと有害物質の削減効果を検証していきたい考え。

(藤原秀行)※いずれもエントランスフォーメーションと三菱商事エネルギー提供

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