アプリでデータの迅速確認可能に、農業や物流などへの活用見込む
ウェザーニューズとオムロンは7月5日、高性能な小型の気象観測機器を共同開発したと発表した。ウェザーニューズが同日、「ソラテナPro」として発売した。
搭載しているIoTセンサーで気温や湿度、気圧、雨量、風向、風速、照度の7つの要素を1分ごとに観測、データを収集する。災害リスクが高まる1時間当たりの雨量50mm、1秒当たりの風速50mの大雨・強風を観測することも可能。
センサー開発を得意とするオムロンと高い予報精度の技術を持つウェザーニューズの強みを組み合わせて開発にこぎ着けた。
「ソラテナPro」(両社提供)
ウェザーニューズは自社で展開している気象情報の発信アプリ「ウェザーニュース」と連携させ、「ソラテナPro」の保有者が観測したデータをアプリ上で迅速に確認できるようにしている。気温や雨量、風速があらかじめ設定した値を超えた場合、プッシュ通知で注意喚起する機能も搭載している。
PC版の専用サイトも用意し、過去の観測データをCVS形式でダウンロードして当時の気象と被害状況を分析することも可能にしている。
アプリでの気象データ表示のイメージ(両社提供)
注意喚起する値を設定可能
PCで観測データを確認
両社は「ソラテナPro」で天候データを集めることで、農業で悪天候から作物を守ったり、建設・建築の現場で作業の可否を判断したり、ドローンの飛行が可能かどうかを見極めたり、物流でトラック輸送を中止するかどうかを決めたりするなど、幅広い領域で活用できると見込む。
両社は詳細な料金を明らかにしていないが、標準的な使い方では「ソラテナPro」1台でパソコン1台程度、月額料金は携帯電話1台程度に抑えると説明。2022年度に500台の販売を目指す。
(藤原秀行)