KDDIと野村不動産HD、横浜の大規模マンションでロボット配送の実証実験

KDDIと野村不動産HD、横浜の大規模マンションでロボット配送の実証実験

建物内店舗から商品を各戸へ、「買い物の負担がない未来」の実現目指す

KDDIとKDDI総合研究所、野村不動産ホールディングス(HD)は7月4日、今年3月17~31日の間、野村不動産などが分譲した大規模マンション「プラウドシティ日吉」(横浜市)の住民を対象に、ロボットを用いた商品配送の受容性の確認と、技術的な課題を抽出するフェーズ2の実証実験を実施したと発表した。

居住者から実験用ECサイトを通じて約100件の注文を受け、ロボットがプラウドシティ日吉の商業施設から各住戸の玄関前まで商品を届けた。KDDIと野村不動産HDは本実証実験の結果を踏まえ、今後はエレベーターとの自動連携や、雨風対応が可能なロボットの導入を検討する。


実証実験の様子


実験に使用したロボット

3社は買い物の負担がない未来の実現を目指して、2022年2月から「ロボットを用いた商品配送に係る実証実験」を3つのフェーズで進めている。フェーズ1は22年2月にスタッフのみでの配送サービスを確認。今回のフェーズ2はスタッフとロボットによる配送サービスを実施し、次のフェーズ3はロボット単独による配送サービスを検討する。

3社は本実証実験を通じて、ロボットを活用した商品配送が、労働力不足の解決や住宅居住者への新たな価値提供に貢献するかについて評価。併せて、マンション内のエレベーターなどを利用してロボットを活用した商品配送における技術的な課題を抽出した。

実施期間 2023年3月17日から2023年3月31日
実施時間 午前7時30分から午後11時(最終注文受付:午後10時30分)
場所 プラウドシティ日吉レジデンスⅠ・Ⅱ、SOCOLA日吉の敷地内
対象者 プラウドシティ日吉レジデンスⅠ・Ⅱ居住者
実験内容 対象者がSOCOLA日吉の店舗で取り扱う商品(約300品目)を注文用ECサイトから購入すると、ロボットが各住戸の玄関前まで商品を配送する
配送料 無料
備考 安全性確保のため、ロボットに専属スタッフが帯同
注文集中時など、ロボットが全台出払っている場合はスタッフによる配送

■実証実験の結果

  • [1] ロボット配送に対する住民の受容性について

    本実証実験参加者の86%は、初めて商品配送サービスを利用したと回答。本実証実験を通じ、ロボットに対する好意的な意見やニーズがあったことから、ロボットを用いた商品配送に受容性があることが分かった。将来、人の代わりにロボットが商品配送を行うことで労働力不足の課題解決に寄与することが期待できると見込む。

    <参加者の声>

    「共働きで子供が2人いる家庭では、大変便利だった。ごはんを作る余裕やおやつがない時に利用した」
    「ロボットの瞬きが可愛かった」
    「ロボットを見せることができ、子どもたちに良い経験をさせてあげられた」
    「注文したが雨が降っていてロボットに来てもらえず、スタッフによる配送だったのが残念」

  • [2] ロボット配送の所要時間について

    エレベーターの待ち時間などを含めたマンション内の商品配送に要する時間は1注文当たり約30分(ロボット走行速度0.7~1.0m/秒)という結果になった。複数の注文を1度の配送で処理するなど、配送の効率化が課題となった。

  • [3] ロボット配送のピークタイムについて

    注文数は9~10時台、18~19時台が多かった。遅めの朝食や夕食の時間の利用が多かったと想定される。注文の混雑時間と閑散時間を考慮したロボットの配備が課題となった。

    注文世帯数 プラウドシティ日吉レジデンスⅠ・Ⅱ居住者のうち、72世帯
    総注文数・注文実績 総注文数102件
    2リットル飲料などの重い商品や、不足した生活必需品、忙しい朝食夜食時のお弁当・ホットスナックなどを配送

    ■実証実験の結果
    [1] ロボット配送に対する住民の受容性について
    本実証実験参加者の86%は、初めて商品配送サービスを利用した。本実証実験を通じ、ロボットに対する好意的な意見やニーズがあったことから、ロボットを用いた商品配送に受容性があることが分かった。将来、人の代わりにロボットが商品配送を行うことで労働力不足の課題解決に寄与できるとみている。

    <参加者の声>
    「共働きで子供が2人いる家庭では、大変便利だった。ごはんを作る余裕やおやつがない時に利用した」
    「ロボットの瞬きが可愛かった」
    「ロボットを見せることができ、子どもたちに良い経験をさせることができた」
    「注文したが雨が降っていてロボットに来てもらえず、スタッフによる配送だったのが残念」

    [2] ロボット配送の所要時間について
    エレベーターの待ち時間などを含めたマンション内の商品配送にかかる時間は1注文当たり約30分(ロボット走行速度0.7~1.0m/秒)という結果になった。複数の注文を1回の配送で処理するなど、配送の効率化が課題となった。

    [3] ロボット配送のピークタイムについて
    注文数は9-10時台、18-19時台が多い結果となった。遅めの朝食や夕食の時間の利用が多かったと想定される。注文の混雑時間と閑散時間を考慮したロボットの配備が課題と判明した。

    注文世帯数 プラウドシティ日吉レジデンスⅠ・Ⅱ居住者のうち、72世帯
    総注文数・注文実績 総注文数102件
    2リットル飲料などの重い商品や、不足した生活必需品、忙しい朝食夜食時のお弁当・ホットスナックなどを配送

    3社は本実証実験の結果を踏まえ、注文の混雑時間と閑散時間を考慮したロボット配備計画の検討を進めるとともに、複数注文の1度での配送処理、エレベーターとの自動連携、風雨への対応などが可能なロボットの導入を検討する。3社は今後も、取り扱い商品・店舗を拡張し、新しいライフスタイルをサポートするロボット配送サービスの実現を検討する構え。


    プラウドシティ日吉 敷地全体図

    物件概要

    所在地 神奈川県横浜市港北区箕輪町二丁目7番60、40、36
    交通アクセス 東急東横線・目黒線・横浜市営地下鉄グリーンライン「日吉」駅 徒歩9分

    (藤原秀行)※いずれも3社提供

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