埼玉~岡山間、往復でそれぞれ有効活用
カバヤ食品と物流企業のリンク&リンケージ(岡山市)、ロッテ、曙運輸(埼玉県越谷市)、全国通運、JR貨物、日本石油輸送の7社は7月25日、日本石油輸送が所有する31ftスーパーURコンテナを活用し、環境負荷低減のための鉄道によるラウンドマッチング輸送を同日開始したと発表した。
スーパーURコンテナは真空断熱パネルを採用しており、冷蔵コンテナよりも高い断熱性能を備えているのが特徴。きめ細かな温度維持が必要な品物を運ぶのに適している。
ラウンドマッチング輸送は貨物を目的地で下ろした後、空で回送することなく適合する貨物を見つけ、出発地まで戻ることにより、往路と復路の車両の積載率を高め、ドレージコストの低減を可能とする輸送方式を表現している。
ロッテ、曙運輸、全国通運、JR貨物、日本石油輸送は昨年12月、31ftスーパーURコンテナを活用したモーダルシフト輸送として、ロッテの狭山工場(埼玉県)から岡山県の倉庫までの貨物鉄道輸送の検討を開始した。
その結果、空回送となる復路の有効活用策として、リンク&リンケージが物流元請を担う、カバヤ食品岡山工場(岡山県)から埼玉県にある倉庫向けへの輸送とマッチングできると判断。カバヤ食品とロッテがタッグを組み、ラウンドマッチング輸送に踏み切った。
カバヤ食品岡山工場から埼玉県の倉庫へ運ぶ主な商品は「タフグミ」、ロッテ狭山工場から岡山県の倉庫へ運ぶ主な商品は「コアラのマーチ」。
ラウンドマッチング輸送のスキーム
全国通運とJR貨物が提案する貨物鉄道を活用したラウンドマッチング輸送により、所要時間の短縮、トラックドライバーの労働時間の削減、輸送時のCO2排出量と総コスト抑制につなげられると見込む。労働力不足問題の解消、地球環境の保全、省エネルギー、物流の効率化に資すると想定している。
ロッテのCO2排出量を年間56.8t(削減率74%)、カバヤ食品のCO2排出量を年間59.3t(削減率77%)それぞれカットできると試算している。
カバヤ食品、リンク&リンケージ、ロッテ、曙運輸、全国通運、JR貨物、日本石油輸送は今回のルート以外にも物流業務の効率化、CO2排出量の削減を図り、持続可能な社会の実現を図る。
イメージ写真(いずれもロッテなど提供)
(藤原秀行)