経産省の検討会が整備の指針骨子案、短時間で完了可能目指す
経済産業省は8月7日、EV(電気自動車)の普及を後押しするため、官民で充電設備の設置促進策を議論する「充電インフラ整備促進に関する検討会」を開催した。
事務局を務める経産省が、充電インフラ整備促進に向けた指針の骨子案を示した。この中で、高速道路のSA・PAに今後設置するのは1口当たり90kW以上の高出力の急速充電器を基本にし、特に需要が多い場所では150kWの急速充電器も導入することを提案した。政府が補助金で整備を支援することにも言及した。
経産省によれば、現在の急速充電器の出力は平均で40kW程度という。経産省は指針をまとめることで高速道路運営会社などがより高出力な急速充電器を広められるよう後押しし、ドライバーが充電に要する時間を短縮。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)を利用しやすい環境を整備したい考え。
指針の骨子案は、高速道路で急速充電器の設置間隔をおおむね70km以内に収め、走行中に充電が切れる事態を防ぐことを提示。高速道路以外の、道の駅やコンビニなどでも、駐車スペースに余裕があったり、充電のニーズが高かったりする場所については、充電器で50kW以上の出力を確保できるようにすることも盛り込んでいる。
さらに、充電器を提供する事業者が2025年度から実際に充電した電力の量を基に料金を支払う従量課金制のサービスを始められるようにすることも提示している。現状はどの程度の電力を充電したか正確に測るのが難しく、充電した時間に応じて課金している事例が多いため、従量課金制を実現してEVやPHVのユーザーの利便性を高めることを念頭に置いている。
検討会は今後、指針の内容をさらに詰め、一般の意見募集(パブリックコメント)を経て今年10月をめどに公表したい考え。
(藤原秀行)