消費者から見えない流通の“裏の競争力”強化に貢献

消費者から見えない流通の“裏の競争力”強化に貢献

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パナソニックが「現場プロセスイノベーション」の狙いを解説

パナソニックグループは3月5~8日、東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた「第35回流通情報システム総合展(リテールテックJAPAN2019)」に、流通や物流、製造のさまざまな業務を対象とした「現場プロセスイノベーション」を実現するためのさまざまなソリューションを出展した。

同社グループのブースには配送の進捗状況を可視化したり、棚の欠品を画像認識で自動検出したりと多様なシステムを展示。サプライチェーンの広範囲にわたって業務を効率化しようとする取り組みを熱心にアピールした。

パナソニックでBtoBソリューションを手掛ける社内カンパニー、コネクティッドソリューションズ社現場プロセス本部総括担当の一力知一氏はリテールテックJAPAN2019の開幕に当たって記者会見し、現場プロセスイノベーションが目指す姿について解説。「当社はモノづくり企業として100年の歴史を持ち、商品の製造、在庫、販売までのプロセスを熟知している」として、流通業向けにバックヤードの在庫管理など、消費者からは見えないが事業を成長させる上で不可欠な“裏の競争力”強化をサポートしていく考えを示した。


記者会見する一力氏

一力氏は長年BtoBの分野に携わってきた経験も踏まえ、現場プロセスイノベーションに関連し「創業からこれまでの100年間は家庭の暮らしを良くしていくことで社会生活の改善・向上を図り、より良い社会を作り上げていくというところを中心に事業を行ってきた。これからの100年間はプラスアルファして、さまざまなビジネスパートナーと組み、より良い社会を作っていく。次の100年にわたる社会インフラを構築していきたい」とパナソニックグループの目指す姿を説明。BtoB分野に力を入れている背景を明らかにした。

パナソニックグループでは家電だけでなく、これまでにBtoB分野で製造現場向けの溶接機や実装機、物流現場向けのハンディーターミナルや堅牢なタブレット端末、配送の見える化ソリューション、流通現場向けの電子棚札やPOS、決済端末といった多様な機器を手掛け、堅牢なタブレット端末はグローバルでこのカテゴリーのシェアトップを5年連続達成するなど成果も挙げているとPR。既にグループ全体の売上高約8兆円のうち7割程度がBtoBによるものとアピールした。

「本当は『人手不足』ではない現場も多い」

グローバルで300を超える生産拠点を展開していることなどに触れ、「製造業は“表の競争力”と“裏の競争力”という考え方があり、前者は画像が美しい、音がきれいといった商品の性能。その高い品質を支えるためのコストやリードタイムなどが後者に該当する。表と裏の競争力が一対になって初めて真の意味で競争力が発揮できる」との理念を強調した。

流通業に関しても同様に、店舗における接客など表の部分に加え、商品の多品種少量化でバックヤードの在庫管理といった裏の部分が非常に重要な意味を持つようになっていると指摘。パナソニックグループが製造業向けのソリューションで培ってきた現場のデータ活用・分析といったノウハウを活用し、裏のオペレーションをサポートすることで全体の競争力を向上させられると持論を展開した。

流通や物流業界で人手不足が叫ばれている現状に関しては「オペレーションを見ていると人手が足りないように思えても(現場スタッフの動きなどのデータを収集する)センシング技術を使って分析すると、実際には作業していない“手余り”の状態があったりして、人手不足ではないことも多い」と強調。製造業の現場改善のノウハウを流通や物流業界に生かせる余地は大きいとの認識を示し、現場改善貢献に意欲をのぞかせた。

また、「流通店舗に課題があるといっても、問題を抱えているのが店舗自体の場合もあれば、商品を持ってくる物流や製造の現場ということもある。ボトルネックの領域が異なっている。現場の課題は経営の課題に直結することが多いので、どの課題が一番経営に直結しているかをセンシング技術などで抽出する」と話した。

(藤原秀行)

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