国内3カ所目、瀬戸内海で研究・事業開発強化
船の自動運転技術開発を手掛けるエイトノットは9月19日、広島市に新たな拠点を開設し、瀬戸内海で研究・事業開発を強化すると発表した。
同社が拠点を置くのは大阪、東京に次いで3カ所目。地元自治体や事業者と連携を緊密にし、自律航行技術の社会実装を早期に実現したい考え。
(エイトノット提供)
エイトノットは創業初期から国土交通省、内閣府、広島県、愛媛県など政府・地方自治体からの支援を受け、様々な実証実験を瀬戸内海中心に実施してきた。
2022年10月に小型船舶向け自律航行プラットフォーム「エイトノット AI CAPTAIN」を発表。23年1月には、自律航行船による国内初めての商用運行を広島で実施した。さらに23年7月に舶用エンジンおよび船舶関連機器商社のセイカダイヤエンジンと資本・業務提携を締結し、事業拡大フェイズに移行している。
迅速な事業展開を進め、自律航行技術の社会実装をより一層加速するため、事業開発中心地である瀬戸内海の拠点として、広島県に拠点を開設することにした。
広島県は瀬戸内海に142の離島を抱え、人口減少に伴う利用者の減少、高齢化による船員不足などが響き、2020年度以降、5つの航路で旅客船やフェリーが廃止、長期運休となるなど、生活航路の維持が窮状に陥っている。社会課題を抱える広島県に拠点を構えることで、地元から応援される事業の実現を目指す。
自律航行技術で共同研究している独立行政法人国立高等専門学校機構 広島商船高等専門学校から新卒者を採用し、今年10月から広島拠点の新メンバーとして迎え入れる。今後も積極的に地元人材を採用し、地元との連携を強固にしていく計画。
(藤原秀行)