パーソルP&Tが「関東大震災100年」考慮し東京・豊洲で特別授業
人材関連サービス大手パーソルホールディングス(HD)傘下でシステム開発などを手掛けるパーソルプロセス&テクノロジー(パーソルP&T)は関東大震災から防災の日の9月1日、東京都江東区豊洲の区立豊洲北小学校で、子供たちに最新技術を活用した防災対策の有効性などを知ってもらうため、ドローンを活用したICT(情報通信技術)の特別授業を開催した。
特別授業は昨年に続いて2回目で、6年生の児童154人が参加した。今年はちょうど関東大震災から100年に当たるのを踏まえ、児童らが災害時にドローンをどのように使えばいいかについて意見を発表。被災した人の早期発見や被災地への水の輸送などを提案した。
さらに、児童の代表が災害現場で救援物資を運搬する場面を想定した小型ドローンの操縦に挑戦。被災した人を救い、生活を支援する上でドローンが活用できることを実感していた。
特別授業の様子
特別授業にはパーソルP&Tからビジネスエンジニアリング事業部ドローン・MaaSソリューション部の髙木開氏が講師として登場。関東大震災の甚大な被害を児童に紹介するとともに、ドローンをいかに防災の観点で使えるかについて児童らに考えてもらった。
小型ドローン「Ryze Tello」が氾濫した河川に見立てて体育館の床に敷いたブルーシートを超え、物資を運搬するとの設定で、まずパーソルP&Tがデモ飛行を披露。その後、児童8人がパーソルP&Tのスタッフの協力を得て操縦にチャレンジした。機体に物資を模した紙のカードを吊るして要救助者に扮した教員の元まで無事飛行させた。
デモ飛行
操縦にチャレンジした児童
会場には関東大震災の惨禍と復興の過程を伝えている「東京復興記念館」が保有する大震災当日の写真などと併せて、物流など向けの「PF2-Delivery」と農業向けの「AC101」のドローン2体を展示。児童らの関心を集めていた。
特別授業の後、メディアの取材に応じたパーソルP&Tビジネスエンジニアリング事業部エネルギービジネス第1統括部ドローン・MaaSソリューション部の清國将義マネージャーは「当社はドローンを活用した中山間部での配送実証実験や火口周辺調査など、ドローンの社会実装に向けて様々な取り組みを行っている。学習と体験を通じてテクノロジーと防災への理解促進や興味喚起を深めることに加え、防災におけるドローンの可能性を子供たちに伝えるきっかけになってほしい」と意義を語った。
ドローン操縦体験に参加した児童からは「私は実際に大きな地震を体験したことがないので、被災した人たちがライフラインのない中、どういうふうに生活しているか知ることができて良かった」「ドローンの操作は難しいとは言え、誰でも気軽に操作できるとも感じた。操作のしやすさに加えて、農薬散布や物資調達などいろいろな用途があって、やっぱりドローンはすごいと思った」との声が聞かれた。今後の災害に備えたいことはあるかという質問に対しては「いろいろな食料や水を備蓄しておきたい」と語った。
豊洲北小の喜多好一校長は「ドローンを活用した授業によって、子どもたちの防災への意識が高まったのではないかと思う。パーソルP&T にはプログラミングの授業に加え、昨年からドローンの活用授業も開催していただき、非常に有意義な時間を過ごせた」と述べた。
展示のドローン機体に集まる児童ら
(安藤照乃)