オフィスビル軸から「総合型」へ転換、環境配慮物件も重視
Jリートのサンケイリアルエステート投資法人の資産運用を担うサンケイビル・アセットマネジメントは10月16日、運用ガイドラインを一部変更すると発表した。
これまではオフィスビルを投資の軸に据えてきたが、テレワーク普及などの環境変化を踏まえ、今後はホテルや物流施設なども積極的に検討。「総合型リート」へ転換し、収益機会を拡大していくことを目指す。現状では物流施設はポートフォリオに1物件組み入れている。
具体的には、アセット別の投資割合について、これまではオフィスビルが80%程度、残りの物流施設などのサブアセットが20%程度と設定していた。今後はオフィスビルを50~70%程度に抑える半面、ホテルと物流施設、住宅や学生寮などの「住居系施設」のトータルで30~50%程度、その他で最大10%程度に変更する。
地域に関しても、これまでは東京圏・大阪市・名古屋市で投資の70%以上を占め、政令指定都市・中核市・地方主要都市で30%以下と割り振っていた。今後は東京圏・大阪圏・名古屋圏で70%以上、政令指定都市・中核市・地方主要都市で30%以下との目標を設定。大阪市や名古屋市以外の周辺地域にもターゲットを拡大していく姿勢を示した。
物流施設に関しては、フジサンケイグループの不動産会社サンケイビルが開発している物流施設を、有力な投資対象にする見通し。
このほか、環境認証を取得済みのアセットへ積極的に投資していくとの基準を新設。不動産良識でもサステナビリティが重視されていることに配慮する。
(藤原秀行)