JR西など、山陽新幹線使った訪日外国人向け荷物輸送サービスの実証実験へ

大阪と福岡のホテルで受付、旅行客獲得図る

福岡県や福岡市、JR西日本、日本旅行などが参加する「訪日外国人向け大型荷物輸送事業化に向けた推進協議会」は、山陽新幹線を用いた荷物輸送サービスの実証実験「新幹線キャリーサービスを、10月30日から2024年3月31日までの半年間、JR西日本マルニックスと連携して実施する。JR西が10月24日、発表した。

以前から関西や岡山、広島を訪れた後に福岡まで足を延ばす訪日外国人は、直接福岡に飛行機や船で入ってくるパターンに比べて人数が限られていた。

大阪を拠点に、岡山や広島を日帰りで旅行する訪日外国人は多く、同協議会は大型荷物を持ちながら旅行することの負担が大きいことが一因ではないかと推察。新サービス開発に向けた実証実験に踏み切る。

訪日外国人が岡山や広島を手ぶらで観光した後、新幹線で福岡まで移動し、福岡を拠点に九州各地へ足を延ばすといった新たな旅程を提案していきたい考え。

サービスは大阪市内のJR西提携ホテルで荷物を集荷し、新大阪駅から山陽新幹線「こだま」号で輸送。博多駅に到着後、福岡市内の提携ホテルに配送する。午前に大阪を出発した荷物は、夕方に福岡エリアへ到着。当日受け取りが可能。料金は1個当たり税込み8000円。

利用者は配送希望日の3日前までに申し込む必要がある。JR西などは1日20個程度の取り扱いを見込んでいる。

【配送例】（こだま847号を用いた輸送例。他の列車を使用する場合もある）

提携ホテル（順不同／2023年10月24日時点）
①大阪市内ホテル
ホテルヴィスキオ大阪、ホテルグランヴィア大阪、ホテルニューオータニ大阪、リーガロイヤルホテル大阪 等
②福岡市内ホテル
ANAクラウンプラザホテル福岡、グランドハイアット福岡、THE BLOSSOM HAKATA Premier、ザ・リッツ・カールトン福岡、西鉄グランドホテル、ヒルトン福岡シーホーク、ホテルオークラ福岡、ホテル日航福岡、ホテルニューオータニ博多、都ホテル博多

同協議会は大阪市内と福岡市内の間を旅行する訪日外国人旅行者の拡大に向け、訪日外国人が所持する大型荷物を、新幹線を使用し、大阪市内の指定するホテルから福岡市内の指定するホテルまで輸送するサービスを実現するための実証実験を実施することを目的として発足した。

（藤原秀行）※いずれもJR西日本プレスリリースより引用