CBRE調査、需要は引き続き堅調と分析
シービーアールイー(CBRE)が10月31日公表した2023年第3四半期(7~9月)の大規模マルチテナント型物流施設の賃貸市場動向に関する調査結果によると、近畿圏の空室率は4.5%で、前期(4~6月)から1.3ポイント上がった。上昇したのは今年1~3月以来、2四半期ぶり。
新規供給の3棟でいずれも空室が残ったことが主因。ただ、竣工から1年以上経過した既存物件の空室率は0.5%にとどまっている。
CBREは「向こう1年では近畿圏中心部で12万坪超の豊富な供給が予定されているが、内定状況はおおむね良好で、既に満床となった物件も複数ある」と解説。兵庫県の内陸エリアで引き合いが少ない物件が見られるものの、全体として需要は引き続き堅調との見方を示した。
実質賃料は1坪当たり4110円で、前期から0.2%下落した。
近畿圏の動向
中部圏は新規需要が過去最大
中部圏の空室率は8.3%で、前期から3.1ポイント上がった。上昇は近畿圏と同じく2四半期ぶり。ただ、新規供給の4棟のうち2棟が満床で竣工し、残る2棟も6~7割の稼働率となった。
今期の新規需要は10.4万坪で四半期ベースとして過去最大を記録した。製造業や物流企業の需要が引き続き旺盛だった上、一般消費財で拠点の大型化や再配置の動きが出た。
今後も大型物件を含め複数の供給が予定されているため、CBREは「空室率は一時的に10%を超える」と予想している。
実質賃料は1坪当たり3620円で、前期から0.8%アップした。
中部圏の動向(いずれもCBRE資料より引用)
(藤原秀行)