離島や山間地のドローン物流促進で規制緩和へ

離島や山間地のドローン物流促進で規制緩和へ

「レベル3」飛行のルート下立ち入り管理簡略化を想定、政府が23年中の実施目指す

政府はドローン物流を実現しやすくするため、安全規制を緩和する。無人地帯でドローンが目視外飛行する「レベル3」の実施条件を一部見直し、住民への物資輸送をドローンが担いやすくすることなどを想定している。

11月2日に取りまとめた総合経済対策の中に盛り込んだ。2023年中に航空法の施行規則などを改正する予定だ。

一連の規制緩和で、送電網の点検や物資輸送などをドローンが代替できるよう環境を整備したい考え。トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」に対応し、離島や山間部でドローン物流を普及させたい狙いもある。

政府はドローン飛行に関し、難易度で4段階のレベルを設定、それぞれに必要な手続きなどを定めている。このうち、「レベル3」は飛行ルートの下に人が立ち入らないか監視する補助者を置くなど、立ち入りを管理する措置を講じるよう定めているが、一定の条件で簡略化を認める方向だ。

政府内ではドローンに搭載したカメラを使ってリアルタイムで危険を把握、回避できる仕組みの整備などを簡略化の条件にすることを検討している。

レベル3は実証実験が全国各地で行われており、人口が少ない離島や山間地で荷物を運ぶことができると地方自治体などの間で期待が高まっている。

しかし、補助者を配置したり飛行を周知する看板を設置したりする必要があるなど、事業者の負担が多く、サービス展開のハードルが高いため、まだ本格的にサービスは始まっていない。

政府は併せて、操縦者からの目が届く範囲内でのドローン飛行についても、申請手続きの期間短縮を検討している。最大6週間を要している現状を改善することを目指す。

ドローンの普及により、大規模災害で道路が寸断された場合でも、ドローンを使い被災地へ物資を送ったり、被災状況を迅速に把握したりできると期待している。

(藤原秀行)

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