オリックス・清田物流事業部長が2019年度の事業方針説明
オリックスで物流施設開発を手掛ける清田(せいた)衛物流事業部長は4月16日、埼玉県松伏町で完成した「松伏ロジスティクスセンター」のメディア向け内覧会で、今後の同社の事業方針などについて説明した。
清田部長は2019年度の方針として、需要が確実に見込める首都圏と中部、関西内陸部の東名阪を中心に年間3~4件のペースで新規投資していく方向性の堅持を明言。併せて、事業の差別化を図るため、産業用ロボットなどのレンタルを担うグループのオリックス・レンテックと連携し、自社開発物件のテナント向けに物流ロボットを最大半年間無償でレンタルするサービスの利用実績獲得に力点を置く姿勢を強調した。
事業方針などを説明する清田部長
清田部長は今年度の方針として、大型物件の開発に注力する考えも表明。「最近は2万~3万坪程度を希望されているテナントも多い」と理由を挙げた。併せて、開発競争が激しい中、用地を購入して施設を開発する基本的なスキームに加え、区画整理や長期借地案件といった新たな開発手法にも積極的に対応していく考えを示した。
物流ロボットのレンタルサービスは現在、施設に入居予定の顧客と導入機器の検討を進めていることを明らかにし、「ロボット活用で人件費の約2割を削減できるような取り組みを目指していきたい」と語った。
併せて、昨今大規模災害が相次いでいる点も踏まえ、BCP(事業継続計画)の面で顧客へさまざまな提案をしていくことに意欲をのぞかせた。
「働きながら健康になれる」センターを構想
松伏ロジスティクスセンターではオリックスの物流施設開発で初の試みとして、フィットネスルームを設置。さらにテナントの従業員へ無料でウエアラブル端末を貸し出し、メドケア(東京)が展開しているインターネット上で個人の健康管理をサポートするヘルスケアサービスと連携、歩数把握などを容易に行えるようにする構想を立てている。
清田部長はその狙いの1つとして、男性シニア層の労働力確保を挙げ、「シニアの男性がパートで働く場所は意外と少ないとの印象がある。適度に体を動かし仕事ができる環境を整えていきたい」と解説した。
同席したメドケアの木村芳朗COO(最高執行責任者)は、快適に過ごせる共用スペースなどと組み合わせ、「働きながら健康になれる物流施設を目指す」とのコンセプトを紹介。「医療従事者のサポートを得られている安心感を持って、日々生き生きと働ける環境をつくっていく」と述べた。
ヘルスケアサービスの狙いを説明する木村メドケアCOO
従業員へ無償提供するウエアラブル端末のイメージ
(藤原秀行)