物流などへの活用容易なドローン「レベル3.5」飛行、12月下旬めどにスタートへ

物流などへの活用容易なドローン「レベル3.5」飛行、12月下旬めどにスタートへ

国交省、審査要領改正案公表

国土交通省は、人口減少に直面する山間部や離島で物流などへのドローン活用を容易にするため、12月中に安全規制を緩和する方向で準備を進めている。

無人地帯上空をドローンが目視外飛行する「レベル3」について、条件を満たせば現状より実施しやすくする「レベル3.5」のルールを設定する。

国交省が11月28日に航空法を踏まえ、「無人航空機(ドローン)の飛行に関する許可・承認の審査要領」の改正に関するパブリックコメント(一般からの意見募集)を開始した。期限は12月11日で、集まった意見も踏まえ、12月下旬をめどに改正を実施したい考え。

「レベル3」は鉄道の線路や道路、船の航路のように人が立ち入る可能性がある場所の上空を飛ぶ際、補助者を置いて人が通らないよう誘導したり、看板を置いて周知したり、道路横断前には機体を一時停止させたりするなど、「立ち入り管理措置」を講じることを定めている。

しかし、人を配置すると人件費がかさみ、看板の設置も手間を要することなどから、ドローン活用の支障になるとして見直しを求める声が事業者らから出ていた。

審査要領の改正案は、新たに「レベル3.5」として、機体に設置したカメラが進行方向の飛行経路下に第三者が立ち入っていないことを確認できる場合、飛行トラブルに備えた補助者配置や周囲への注意喚起のための看板設置を不要にすると設定。

また、ドローンが道路の上空を一時的に横切ろうとする際、カメラの設置に加えて、道路への墜落を避けるための緊急着陸地点選定など運航上の安全対策を設けていることや、操縦に携わる人が有効な操縦者技能証明を保有していること、第三者の負傷や交通障害といった不測の事態が発生した場合に十分な補償が可能な損害保険に加入していることを条件に、通行を認める。

さらに、ドローンから物を投下する場合、第三者の立ち入りを制限する管理区画内に投下が可能と実証飛行などであらかじめ確認できた場合は「原則1m以下から」との高度規制の適用外とする。ドローン物流で届けた荷物を切り離すことなどを想定している。

(藤原秀行)

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