「標準的な運賃」、平均8%程度引き上げで最終調整

「標準的な運賃」、平均8%程度引き上げで最終調整

国交省、2時間超の待機や荷役に割増適用も検討

国土交通省は、改正貨物自動車運送事業法に基づいて告示している「標準的な運賃」に関し、地域ごとに設定している距離制・時間制の運賃表(タリフ)で打ち出している運賃を平均8%程度引き上げる方向で、最終調整に入った。

政府が取りまとめた、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念される「2024年問題」への対応に関する政策パッケージの内容を踏襲。燃料など各種コスト上昇も踏まえ、運送事業者が荷主や元請けと交渉する際に活用するよう告示している標準的な運賃を活用し、より運賃を引き上げられるよう後押ししたい考え。

また、標準的な運賃は現状、待機時間料として、30分ごとに車種別で荷主が支払うべき対価を設定している。政府が政策パッケージに関連し、物流施設での荷積み・荷降ろし作業を2時間以内に抑えるようガイドラインを示しているため、国交省は標準的な運賃でも新たに待機や荷役の時間が2時間を超えた場合、割り増し運賃を支払うよう項目を追加することを検討している。

国交省は全日本トラック協会など関係者との調整を踏まえ、近く審議会で正式決定し、2023年度末までにあらためて改正内容を告示したい考え。

このほか、現行では冷蔵車・冷凍車を対象に「特殊車両割増」として運賃を2割割り増すよう設定しているが、今回の見直しでは海上コンテナ、タンクローリー、ダンプも追加することを念頭に置いている。

国交省は標準的な運賃と併せて、同法に則って公表している「標準貨物自動車運送約款」も修正する予定。

(藤原秀行)

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