TDB調査結果、派⽣する売上⾼は推計2.2兆円で不祥事の影響懸念
帝国データバンク(TDB)は12月20日、大規模な認証不正が発覚したダイハツ工業について、自動車製造のサプライチェーンに関わっている企業(売上高の1%以上を依存している企業)が国内で推計8136社に上ると発表した。
同社と直接取引のある「Tier1」は921 社、二次下請けの「Tier2」が4945社、「Tier3」が2114社と続いている。
TDBによると、サプライチェーンに関わっている企業は47都道府県の全てに所在。各企業に派生する売上高の合計は推計で2兆2110億円に上るという。各企業の売上高依存度は平均 4.2%に達しており、TDBは「出荷停止措置が長引けば、各企業の業績や雇用、地域経済への影響が懸念される」と指摘している。
サプライチェーンに関わっている企業の所在地を都道府県別に見ると、トヨタグループのお膝元で、多くの自動車関連産業が集積する愛知県が最も多く2084社。派生する売上高は推計で5674億円。
次いで、本社(池田)工場のある大阪府が1043社・2607億円、東京都が562社・2006億円だった。
社数は多くないものの、滋賀(竜王)工場を構えている滋賀県や、子会社のダイハツ九州が拠点を置く大分県は県内企業に派生する売上高が大きく、滋賀県は187社・903億円、大分県は89社・4800億円だった。
業種細分類別に見ると、最も多いのは「自動車部分品・付属品製造業」で630社、次いで「金型・同部分品・付属品製造業」の468社など、当然ながら製造業が上位を占めている。
部品などを搬送する「一般貨物自動車運送」(408社)や「労働者派遣業」(187社)、車両の電子化が進む中で「受託ソフトウェア開発」(147社)なども存在し、業種の裾野の広さが際立っている。
(藤原秀行)※いずれもTDB提供