多様な荷姿に対応可能な搬送システム実現目指す
ロボット開発を手掛けるスタートアップのTriOrb(トライオーブ、北九州市)は1月23日、東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)、みらい創造機構、DRONE FUNDを引き受け先とする第三者割当増資を2023年12月28日に実施、シリーズA(会社創生期)ラウンドで総額3.3億円の資金調達を実施したと発表した。
併せて、UTEC取締役COO(最高執行責任者)の坂本教晃氏が社外取締役に就任した。累計調達額は4.4億円に達した。調達した資金は研究開発の促進、組織体制の強化に充てる。
(TriOrb提供)
TriOrbは昨年2月に創業。九州工業大学が発明した、360度全方向に進むことが可能な「球駆動式全方向移動機構」をコアの技術に据え、産業技術総合研究所の研究成果を基に自律移動システム「TriOrb BASE(トライオーブ・ベース)をリリースした。
AMRや多種多様なロボットの足として利用できるのが特徴で、製造現場の効率と生産性を飛躍的に向上させると想定。従来の全方向移動機構に比べコンパクトで、かつ高い走破性や移動性能を備えており、製造現場などの荒れた床面や狭い場所での活用、精緻な移動が必要な場面での活躍が期待できるという。
併せて、構造はシンプルなため、メンテナンスが簡易なのもメリット。今後、TriOrb BASEを駆使し、複数のロボットが陸上でドローンのように協調的に連携、長尺物や重量物などの様々な荷姿に対応できる柔軟な搬送システムの実現を目指す。
(藤原秀行)