SGHDの新中計、本社隣接エリアで開発の佐川急便大型センター活用を明示

SGHDの新中計、本社隣接エリアで開発の佐川急便大型センター活用を明示

20年度後半から段階的に稼働、引っ越しや大型貨物、3PLなどの機能も取り入れ

SGホールディングス(SGHD)は4月26日、2019~21年度を対象とする新たな中期経営計画「Second Stage 2021」を発表した。

経営戦略の一環で、物流のネットワークをさらに拡充するため、東京・新砂の本社に隣接したエリアに国内最大規模となる佐川急便の中継センターを開発し、20年度(21年3月期)後半から段階的に稼働させる「Xフロンティアプロジェクト」にあらためて言及。グループで展開している引っ越しや大型貨物輸送、3PL、国際物流などの機能も取り入れてサービスレベル向上を図る方針を打ち出した。


大型中継センターの完成イメージ(SGHD中期経営計画資料より引用)

さらに新技術導入による業務効率化、サービス強化に向けたIT投資を積極的に進める方針を明示。一例として、宅配の配達先を指定する際に用いる国土地理協会の住所コードを従来の8桁から11桁に変え、コースマスターをより精緻にすることで荷分け作業の簡素化などを図っていくことを説明した。

このほか、法人向けソリューションチーム「GOAL」の提案領域拡大、日立物流との協業強化、適正なインセンティブを組み込んだ業績評価制度の導入、宅配における効果的・効率的な業務遂行のための役割分担明確化などを盛り込んだ。

中計の目標数値として、最終の21年度(22年3月期)に連結営業収益(売上高に相当)を18年度(19年3月期)実績から8・5%増の1兆2130億円、営業利益は5・3%増の740億円、純利益は4・8%増の455億円に設定している。

景気減速でも数値達成は可能と認識

SGHDの荒木秀夫社長は東京都内で開いた決算説明会で、Xフロンティアプロジェクトに関し「グループ機能の有機的統合により、新たな付加価値を創出する重要拠点として活用していく」と説明。「かなり巨大な建物で、佐川急便の1時間当たりの処理能力は10万個を見込んでいる。一緒に仕事をしていただいている協力会社さんの路線便の待機時間短縮などにも寄与できる」と強調した。ただ、施設稼働に伴う具体的な業績押し上げなどの効果については「数字を持ち合わせていない」と述べるにとどめた。

また、中島俊一取締役(財務・経理担当)は、国内外で景気減速が懸念されていることに対し「計画策定に当たっては、取り巻く環境はかなり織り込んでいるが、当社の扱いはtoBとtoCの比率で見ればtoCが若干増えてきつつある。米中経済摩擦などが影を落としたとしてもさほどの影響は出てこないだろう。(計画に盛り込んでいる)このくらいの数字は達成可能ではないかとみている」と語った。


会見する荒木社長

(藤原秀行)

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