森理事長がシンポジウムで説明、政府の緊急政策パッケージ受け情報共有や交流・研鑽後押し図る
世界を大きく変えたインターネットの形を物流の世界で再現し、業務効率化や省人化などを図る考え方「フィジカルインターネット」の実現を目指す一般社団法人フィジカルインターネットセンターの森隆行理事長(流通科学大学名誉教授)は2月2日に開催したシンポジウムで、政府が企業で物流全般を統括する役職「CLO(最高ロジスティクス責任者)」の普及を目指しているのを受け、同センターとしても協力していく考えを示した。
その一環として、CLOが情報交換などを行う場として協議会を発足させる意向を明らかにした。
森理事長は「交流・研鑽などの役割を担うCLO協議会を立ち上げたい。早いタイミングで立ち上げるべく準備している。多くのCLOの方々に参加をお願いしたい」と述べた。
国土交通、経済産業、農林水産の3省が設置した有識者会議は昨年8月、「2024年問題」に対応し物流の持続可能性を高めるための方策を提言した最終報告を決定。この中で「役員クラスで物流を統括・管理する責任者を任命し、当該責任者を中心として、中長期計画の策定などの取り組みを推進する」ことを提案した。
政府が昨年10月にまとめた2024年問題対応への緊急政策パッケージでも、大手荷主企業に対して「物流経営責任者」の選任を義務付ける方針を提示。国交省などが現在開会中の通常国会に最終報告や緊急政策パッケージの内容を反映させた法改正案を提出する準備を進めている。
(藤原秀行)