20年の公示地価、物流施設など「工業地」は4年連続上昇

20年の公示地価、物流施設など「工業地」は4年連続上昇

全国的に回復傾向も、新型コロナの影響不透明

国土交通省が3月18日発表した2020年1月1日時点の公示地価は、住宅、商業、工業の全用途平均(1平方メートル当たり)は全国で前年実績から1・4%上昇し、5年連続でプラスを記録した。3大都市圏に加え、地方都市でも上昇傾向が見られ、全国的に地価が回復基調にあることを示した。

物流施設などの工業地は全国平均(調査地点1038カ所)で1・8%のプラスとなり、4年連続の上昇。プラスの幅も19年の1・3%から拡大した。eコマースの成長に伴う先進的な物流施設の需要増などが後押しした。

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国交省は工業地の地価動向について「インターネット通販の普及・拡大に伴う物流施設の建設や工場の立地・拡張の動きなど、全国的に工業地への需要の回復が見られる。特に、高速道路のインターチェンジ周辺などの交通利便性に優れた地域では大型物流施設建設に対する需要が強い。このため、工業地の地価は総じて堅調に推移した」と分析。表現は基本的に19年の公示地価の際のものを踏襲した。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は今回の公示地価には反映されておらず、今後も地価の回復基調が持続するかどうかは不透明な情勢だ。

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東京圏は7年続けてアップ

工業地を地域別に見ると、東京圏(224カ所)は3・0%上昇し7年連続のアップ。大阪圏(181カ所)は2・8%、名古屋圏(98カ所)も0・7%と5年連続のプラスを記録した。いずれの都市圏も19年の上昇率から伸びている。3大都市圏全体(503カ所)では2・4%のプラス。

地方圏は、主要4市(札幌、仙台、広島、福岡の40カ所)が5・6%で7年連続上昇、それ以外の地方都市(495カ所)も0・8%で2年連続の上昇となった。 地方圏平均(535カ所)は1・1%で3年続けてアップした。

(藤原秀行)

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