値引き販売などの原資で支払い代金3350万減額、不当に返品も
公正取引委員会は3月12日、会員制の大型スーパー「コストコ」を運営しているコストコホールセールジャパン(千葉県木更津市)に対し、正当な理由がないのに食品製造などを委託している下請け事業者への支払い代金を減額するなどの措置を講じたのは下請け法違反に当たるとして、是正を勧告した。
公取委によると、減額は20社に対して総額約3350万3800円。同社は併せて、11社に対して約199万8500円に相当する商品を引き取らせていた。
コストコは同日、「この度の勧告を真摯に受け止め、下請け法の要件を完全に順守するため、勧告に従い業務の改善に努めてまいります」とのコメントを発表した。
公取委によると、コストコは2021年11月~23年10月にかけて、値引き販売の原資を「クーポンサポート」と称して、また21年11月~23年5月の間、新規開店時の試食や値引き販売の原資を「オープニングサポート」と銘打って、それぞれ下請け代金から差し引いたり下請け事業者に拠出させたりしていた。
また、下請け事業者が納入した商品に対し、品質検査をしていないにも関わらず瑕疵があることを理由に挙げ、21年11月~23年12月の間、商品を引き取らせていた。
公取委はコストコの一連の行為が、下請け法で禁じている代金の不当な減額と返品に該当すると判断、同社に対して再発防止の体制整備などを勧告した。コストコは公取委の指摘を受け、今年3月に減額や返品した下請け代金を事業者に支払った。
(藤原秀行)