配達と仕分けで工夫凝らす
パルシステムは3月14日、政府が4月から設定している「再配達削減PR月間」に協力すると発表した。併せて、自社の再配達抑制や環境負荷低減の取り組みをアピールした。
パルシステムは配達について、週1回の決まった曜日・時間帯に、定期的に利用者を訪問。不在の場合は、専用の折り畳みコンテナや保冷箱に入れて、玄関先などに置き配しており、置き配が認められない集合住宅などは事前に配達日時を指定してもらう「指定便」(一部地域のみ)を準備しているため、「再配達ゼロ」が実現できていると強調している。
置き配は、封印シールや商品カバーなどを活用し、盗難やいたずらを防止。配達時は商品や注文に必要なカタログ類を届ける一方、牛乳パックや使用済みのびんなどを回収している。使用した箱類も同じく回収し、再利用することで環境への負荷を低減しているとPRしている。
置き配は封印シールなどでセキュリティを確保
パルシステムが注文を受ける商品の数は、1週間当たり1千万点以上に達している。各商品を確実に届けるため、あらかじめ「セットセンター」と呼ばれる施設で個人別に商品を仕分けている。
セットセンターは、温度帯ごとに「常温」(温度管理が不要なレトルト食品、日用品など)、「青果」(13℃以下)、「冷蔵」(10℃以下)、「冷凍」(マイナス18℃以下)に分けて稼働し、品質管理を徹底。仕分けられた商品は、エリア内に64カ所ある「配送センター」へ送られ、配送用のトラックに積み込まれる。
あらかじめ商品が注文者別に袋や箱にまとめられているため、配達担当の職員はトラック内で商品を個別に取り扱う必要がなく、事前に仕分けることで大幅に作業負担を軽減していると強調している。
セットセンターで事前に仕分け
物流に対する理解を高めてもらうため、パルシステムでは2023年8月に「物流・ITおしごと体験施設」を開設した。実際に物流センターで使用しているものと同じ機械を使って、仕分け作業を体験できるのが特徴で、これまでに400人近くが参加しているという。
さらに毎日新聞出版が発行した「月刊Newsがわかる」特別編「物流がわかる」で、宅配サービスの密着取材に協力。妹のためにバースデーケーキを作ろうと注文されたいちごや牛乳などの商品追跡し、物流センターで仕分けや配送センターから家に届けるまでの各工程を写真やイラストも交え紹介している。
体験企画で物流の役割を伝える(いずれもパルシステム提供)
(藤原秀行)