公取委、金型の無償保管させていたニデックテクノモータに下請け法違反で再発防止勧告

公取委、金型の無償保管させていたニデックテクノモータに下請け法違反で再発防止勧告

44社に棚卸し作業も、指摘受け総額1812万円支払い

公正取引委員会は3月25日、ニデック子会社で家電・産業用モーターを手掛けるニデックテクノモータ(京都市)に対し、業務発注の明確な予定がないにもかかわらずモーターの金型を下請け企業に無償で保管させるなどしていたことが下請け法に違反していたとして、再発防止を講じるよう勧告した。

公取委によると、ニデックテクノモータは金型など600個に関し、製造を委託している下請け企業44社に対して遅くとも2022年5月1日以降、次回以降の具体的な発注時期を示さないにも関わらず、無償で保管させるとともに金型などの現状確認の棚卸し作業を1年に2回させていた。

公取委はこうした行為が、下請け法で禁じている「不当な経済上の利益の提供要請」に該当すると判断。ニデックテクノモータは公取委の指摘を受け、今年3月7日までに金型などを全て回収・廃棄した。併せて、同日までに、下請事業者に対して保管や棚卸し作業の費用に相当する額として約1812万円を支払った。

ニデックテクノモータは3月25日、勧告を受け「お取引様をはじめとする関係者の皆様にご迷惑、ご心配をおかけしましたことを、心より深くおわび申し上げます」と謝罪。下請け法の順守へ社内教育の徹底などを図ると強調している。

(藤原秀行)

災害/事故/不祥事カテゴリの最新記事