まず東北の一部対象、「2024年問題」対応やCO2削減図る
ローソンとファミリーマートは4月8日、店舗向け配送で共同物流を開始すると発表した。
4月11日から東北地方の一部地域で、アイスクリームや冷凍食品などを対象に両社の物流拠点間を輸送。それぞれの商品を同じトラックに混載して運ぶことで、車両台数やCO2排出量の削減を図る。
両社によると、実験を除いて本格的にローソンとファミリーマートが共同輸送を行うのは今回が初めてという。「2024年問題」対応の狙いもある。
ローソン物流拠点（岩手県盛岡市）
ファミリーマート物流拠点（宮城県多賀城市）
両社は2020年8月と22年2月に経済産業省と流通経済研究所の支援を得て実施した大手コンビニエンスストア3社の共同配送実証実験に参加。終了後も社会インフラとしての役割も担う両社が、安定的に商品を供給するための物流網の維持・構築は非常に重要と考え、協業の実現に向けて、両社で協議や実験を継続してきた。
今回、両社の配送拠点の位置が条件に合致した上、トラックに混載するスキーム構築が整ったため、共同輸送に踏み切る。
ローソンとファミリーマートは、宮城県・岩手県の各在庫拠点から秋田県の配送拠点への輸送便をそれぞれ運行している。今回、冷凍商品の輸送で車両にスペースが発生する場合に、1台に積み合わせて共同輸送を実施する。
対象は物量が比較的安定する4～6月と9～11月を想定。火、木、金曜日の積載量条件が合致した日に実施する。配送時間帯は昼間～夜間を予定している。
配送車両は10tトラック1台で、ファミリーマートの物流拠点（宮城県多賀城市）からファミリーマート用商品を積載して出発し、ローソンの物流拠点（岩手県盛岡市）でローソン用商品を積載。その後、ローソンの物流拠点（秋田市）でローソン用商品を降ろし、ファミリーマートの物流拠点（同）でファミリーマート用商品を降ろす。
CO2排出は両社合計で1回当たり56kg-co2の削減効果（距離として約120㎞）があるとみている。
週に1度、翌週のファミリーマート用車両の予測空き容量とローソンの積載予測量を確認し、1台に積載できると判断した場合にのみ実施。1台に積載できる量を超えた場合は各社ごとに輸送する。
共同輸送のイメージ図（いずれもプレスリリースより引用）
（藤原秀行）
