海難事故防止、予想到着時刻ガイダンスなどの機能も装備
三菱造船は4月10日、海事領域のDX支援を手掛けるMarindows（マリンドウズ）と連携し、ポータブル運航支援システム「ナビコ」の開発を完了したと発表した。
同日開幕した、東京都江東区の東京ビッグサイトでの国際海事展「Sea Japan2024」で展示している。
タブレット端末型運航支援システム「ナビコ」（三菱造船提供）
三菱造船は独自開発したコンソール型運航支援システム「Super Bridge-X」をベースに、2021年度にナビコの開発に着手。ナビコのシステムを活用することで見張り不十分や船位確認漏れといったヒューマンエラーから起こり得る海難事故を防止するほか、航路データの複製・比較や目的地への予想到着時刻のガイダンス、音声による周囲情報確認などの機能を、使いやすいタッチスクリーン操作画面で提供する。
タブレット端末をリース契約形式で供給することで初期投資費用を抑え、設置工事も船上の航海計器との最低限の接続作業および調整のみとし、新造船だけでなく就航船への導入にも配慮している。
ナビコのパイロット試験は、旭タンカーが運航するバイオマス燃料輸送船「あすか」を手始めに、昨年7月以降、複数の内航船で実施している。今後、操作性や仕様面に関するユーザーからのフィードバックを基に、より良い製品を顧客に提供するためのブラッシュアップを進める予定。
（藤原秀行）
