与党の賛成多数、付帯決議も
衆議院は4月11日の本会議で、「2024年問題」対策のため、一定規模以上の荷主企業や物流事業者に物流拠点での荷待ち・荷役時間短縮を図る業務効率化の計画を策定するよう努力義務を科すことなどを盛り込んだ物流総合効率化法と貨物自動車運送事業法の改正案を、与党などの賛成多数で可決した。
併せて、トラック運送事業者が荷主や元請け事業者と運賃交渉する際の参考となる「標準的運賃」を毎年見直すことなどを求める付帯決議も採択した。
今後は審議が参議院に移り、順調に行けば、6月23日に会期末を迎える今の通常国会で成立する公算が大きくなった。
改正案は対象企業の物流業務効率化の取り組みが不十分と判断した場合、政府が当該企業に是正を勧告・命令し、違反すれば罰金を科せるようにするなど、強制力を持った規制を導入。
さらに、元請けのトラック運送事業者に対し、具体的にどのような下請けの事業者に業務を発注しているかや、どのような内容で業務を発注したかを記録することなども義務化する。
トラックドライバーの負荷軽減と待遇改善につなげるとともに、物流業界全体で輸送能力を増加させ、“物が運べなくなる”事態を回避するのが狙い。多重下請け構造を背景とした運賃の値下げなどの不公平な取引関係の是正も図る。
(藤原秀行)