NOxの規制に抵触の可能性も、特別調査委で原因究明開始
IHIは4月24日、子会社で漁船や内航船といった船舶用エンジンなどを手掛けるIHI原動機の国内工場で不適切な行為をしていたと発表した。
エンジン製品を出荷する際、顧客に提出する「燃料消費率」に関し、試運転で測定したものとは異なる数値に修正していた。
当該行為が発覚したのはIHI原動機の新潟内燃機工場(新潟市)と太田工場(群馬県太田市)。
IHIによれば、今年2月下旬、IHI原動機の従業員から不適正行為の申告があり、両社で社内調査を実施、修正の事実を確認した。現在は実測値を記載するよう是正したという。
IHIは同日、「現時点で各種エンジンの試運転および実際の使用時において、安全性に疑義を生じさせる事案は確認されていない」と説明。「信頼を裏切る結果となり、多大なるご迷惑とご心配をおかけする事態となったことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。
IHIによると、船舶用エンジンについては、海外向け製品で、海洋汚染防止法や国際海事機関で定めているNOx(窒素酸化物)の規制に抵触している恐れがあるという。
(藤原秀行)