経産省委託事業、定量的見地から妥当性見極め
NX総合研究所、LexxPluss(レックスプラス)、Mujinの3社は5月13日、経済産業省の委託事業「令和5年度(2023年度)流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(物流施設の自動化に資するロールボックスパレットのモデルケース創出)」で、卸売業・小売業・運輸業などのサプライチェーン上で使われているかご車を対象に、自動化機器を導入・稼働しやすくするロールボックスパレット(かご車)の標準的な仕様・使用環境・運用方法などの環境整備のモデルケース創出に向け、実証実験を行ったと発表した。
実験は、自動化機器の導入・稼働推進に向けて環境整備が必要と思われる項目に対し、定量的見地からの最適な標準仕様案の決定とともに、かご車ユーザー・かご車メーカー・ロボットメーカーへの事前ヒヤリングなどの結果、先に仮説立てした標準仕様案の妥当性を検証することを目的に掲げている。今回の事業は経産省の事業要件に従い、AGV(無人搬送ロボット)、AMR(自律移動ロボット)とロボットアームが対象の自動化機器と設定している。
事業の実施体制
実験ではAGV・AMRについて、かご車の積載重量の違いによる作業時間、かご車種類を標準化した場合と複数種類混在した場合の作業時間、人とロボットが混在した場合と歩車分離をした場合の作業時間についてそれぞれ検証。
AGV・AMR実証実験の様子
さらに、ロボットアームに関しては、かご車の色・床板素材の違いによる作業時間、スマートボックス(製配販連携協議会が定めた標準コンテナサイズ)に適するかご車サイズの見極め、貨物サイズ・重量の違いによる作業時間をそれぞれ検証した。
ロボットアーム実証実験の様子
3社は今回の実証実験の結果、かご車自動荷役の推進に際し、これまで感覚的に妥当と考えていたかご車の仕様などについて、定量的見地からの妥当性を検証できたと意義を強調。併せて、自動化機器を導入・稼働しやすくするロールボックスパレット(かご車)の標準的な仕様・使用環境・運用方法などの検討、標準ガイドラインの策定に寄与できたと説明している。
(藤原秀行)※いずれも3社提供