ドライバー不足などへの有効対策なければ、2030年に月当たり11.5日荷物運べず

ドライバー不足などへの有効対策なければ、2030年に月当たり11.5日荷物運べず

矢野経済研究所が試算公表、荷待ち・荷役時間短縮や待遇改善など訴え

~効果的な対策が行われなかった場合、ドライバーの人数や労働条件を考慮すると1ヵ月のうち約11.5日分の荷物が運べない恐れ~

矢野経済研究所は5月15日、国内の物流業界に関する調査結果を取りまとめた。

2030年の国内貨物輸送量と国内倉庫の所管面積を予測。そのうち、30年度の営業用貨物自動車の貨物輸送に関する需給ギャップの試算結果を公表した。

30年度の需要量と供給可能量の差は、年間で7億4600万t、1カ月当たりで6200万tに達した。矢野経済研究所は、この通史は効果的な対策が行われなかった場合の30年度の営業用貨物自動車の貨物輸送に関する需給ギャップと説明、1カ月のうち約11.5日分の荷物が運べないことを意味すると強調しており、物流センターの荷待ち・荷役時間短縮による業務効率化や、待遇改善によるドライバーのつなぎ止めといった対策を早急に講じる必要性を訴えている。


(プレスリリースより引用)

国土交通省の「自動車輸送統計調査」によると、22年度の営業用貨物自動車による国内貨物輸送量は25億5800万tに上る。調査は数値を基に30年度の需要量(貨物総量)とドライバーの人数や労働条件を加味した供給可能量(重量ベース)を算出した。

需要量の予測は、営業用貨物自動車輸送量の2010~19年度推移の変化率に、将来人口やGDP(国内総生産)の予測を加味して貨物輸送量を予測。30年度の営業用貨物自動車による国内貨物輸送量予測を27億1900万tと推計した。

営業用貨物自動車による国内貨物輸送量は減少傾向にあり、30年度の​貨物輸送量予測値は22年度比で106.3%、コロナ禍の影響を受けていない19年度比で95.7%とはじいた。

一方、供給可能量の予測は30年度のトラックドライバー人口と労働時間を算出。トラックドライバー人口は、総務省統計局「国勢調査」の道路貨物運送業の自動車運転従事者数を基に推計し、30年のトラックドライバー人口を59万人と見積もった。

30年のトラックドライバー人口予測は20年比で75.7%、2000年比では60.6%まで減少している。

トラックドライバーの労働時間は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の道路貨物運送業の労働時間数を基に推計し、30年度のトラックドライバーの労働時間を2447時間と予測。

30年度まで効果的な対策が行われなかったと仮定し、22年度のドライバー1人当たり・1時間当たりの貨物輸送量に、30年度のトラックドライバー人口、労働時間の予測値を掛け合わせると、30年度の供給可能量は19億7300万tで、30年度の需要量と供給可能量の差分が需給ギャップとしてカウントしている。

調査要綱
1.調査期間: 2024年1~3月
2.調査対象: 国内物流に関わる有力事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、e-mailなどによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用

(藤原秀行)

雇用/人材カテゴリの最新記事