期首残高に修正すべき事項判明、重大な「表明保証」違反と主張
イー・ロジットは5月15日、昨年10月に買収した、内装や太陽光発電設備設置の工事などを手掛けるアビスジャパン(さいたま市)について、買収を撤回したと発表した。
イー・ロジットは理由について、株式譲渡契約書で、売り手側がイー・ロジットに対して契約締結の当事者などに関する事実が真実で正確と保証する「表明保証」に重要な違反があったと説明。
2024年3月期の決算作業の過程で、暫定的な処理をしていたアビスジャパンの期首残高に「重要な会計上の修正すべき事項があることが判明」、「将来の超過収益力が期待できなくなった」と判断し、株式譲渡契約を取り消すことを決めたと主張している。
修正すべき事項の具体的な内容は明らかにしていない。
イー・ロジットは特定建設業の許認可を有するアビスジャパンを傘下に収め、自動倉庫システムの導入迅速化などを図りたいとの思惑があった。「当社が、アビスジャパンから当該表明保証違反に該当する事実について説明を受けていれば当社はアビスジャパンの全株式を取得することはなかった」と強調、アビスジャパン側の対応に不快感を示している。
イー・ロジットは同日、アビスジャパン買収に関連して、のれんの減損分4億6800万円を特別損失に計上することを開示した。
イー・ロジットは25年3月期の期初から、アビスジャパンを連結範囲から除外すると説明している。
(藤原秀行)