新スマート物流の社会実装地域でテスト運用開始
エアロネクスト子会社でドローン物流のオペレーションを手掛けるNEXT DELIVERYは5月21日、1人のパイロットが遠隔で複数機体を運航・監視できる複数機運航体制の実運用を年内に実現すると発表した。
同社は現在、主に航空法に基づく「レベル3.5」の物流ドローン運航を展開しており、その際は二等無人航空機操縦士(目視内限定解除)以上の「リモートパイロット」が、日本各地の物流ドローンの運航・監視を担っている。
2023年度はNEXT DELIVERYが本拠を置く山梨県小菅村にリモートパイロットが集結し、1人のリモートパイロットが1機体の遠隔運航・遠隔監視を担当する体制で、ドローンなどの先進技術を駆使して地方の物流機能維持を図る新スマート物流「SkyHub(スカイハブ)」を社会実装した地域の9拠点で物流ドローン運航を実施してきた。
現在までの総飛行回数は5月17日現在、1960回に上り、そのうちレベル3.5飛行は252回に到達。2024年度からは既に1人のリモートパイロットが複数機体を運航・監視できる体制(複数機運航)の試験運航もスタートした。12月までに1人が5機を担当する「1対5機」を目指す。
同社などは5月19日、SkyHubを展開している北海道上士幌町で、1人のリモートパイロットが2機を運航・監視をする体制で物流専用ドローン「AirTruck(エアトラック)」によるドローン配送デモフライトを実施した。
当日は河野太郎デジタル大臣も現地を視察。同社によると、河野大臣は視察後、「レベル3.5 の運航が実用化されていることを間近で確認した。人口が減っている地域は、今の時点で既に、ドローン配送の技術が必要になっている」とコメントした。
同社は複数機運航が日常的に実現することで、運航がより効率化できると同時に、運用コストの削減が可能となり、ドローン配送の事業化も加速できると想定している。
物流専用ドローンのAirTruckから「置き配」された、かみしほろイーツ(tobachi)のお弁当を受け取る河野デジタル大臣(かみしほろシェアオフィス)
AirTruckを前に撮影に応じる河野デジタル大臣と竹中貢上士幌町長(かみしほろシェアオフィス)
NEXT DELIVERY によるレベル3.5、複数機運航の説明の様子(かみしほろシェアオフィス)
(藤原秀行)※いずれもNEXT DERIVERY提供